3G

クラミジアの細菌学的特徴

 

クラミジアは真核生物に編性細胞内寄生性を示す原核生物

(グラム陰性菌)である。

 

1、細胞外で生存し、新しい宿主細胞に感染する直径0.3μm前後の球形の小型の

菌体 基本小体 elementary body (EB) と呼ばれるEBはDANが偏在性に

凝縮し、リボソームが細胞質には充満している

2、細胞内で2分裂より増殖する大型の菌で、網様体 reticulate body(RB)

とよばれ、多形性で、緒尾系0.5〜2μm、DNAとリボソームは均質

に存在する。また網様体から基本小体へ成熟・転換する過程の中間体intermediate form

(body)(小型化し、中央部にDNAの濃縮が始まる)も存在する。EBの細胞は

強固であり、RBの細胞壁はもろく弱い。基本小体と網様体は種々の性状を異にする

 

細胞の外皮構造 EB,RBともにグラム陰性菌と同様の外皮細胞質膜と細胞壁を

もっている。クラミジアの外膜 outer membraneは典型的なグラム

陰性かん菌と同じように主要外膜蛋白major outermembrane protein

(MOMP,分子量約40.0000)が存在する。しかしクラミジアの細胞壁

の大きな特徴はペプチドグリカン層の欠如である。電子顕微鏡的にも

細胞質膜と外膜の間にペプチドグリカン層は認められず、化学分析に

よってもムラミン酸は検出されないしかし、RBの分裂RBからEBへの

変換がペニシリンによって阻害される事実や浸透圧や物理的操作に

たいしてEBが他の細菌と同じく強い点などからペプチドグリカン類似

の構造体の存在が示唆されている。外膜内面には約17μmの規則性で

六角形状に配列する構造がみられる

クラミジアの細胞表面には特徴的な突起構造が見られる

この突起はC.psittaci C.trachomatisの3つの生物型のEB,RBの

両者に存在し増殖中のRBでは宿主細胞の封入体膜に達している像が観

 

クラミジアとリケッチアの相違点

  1. 媒介や存続に節足動物を必要としない
  2. 偏性細胞内寄生体の本態はエネルギー寄生体 energy parasite
  3. 宿主細胞の食胞内で、増殖し、封入体 inclusion を形成する。
  4. 他の全ての微生物とは区別される特異な増殖環を示し基本小体は宿主細胞外

の生存に網様体は宿主細胞内の増殖に適応してる。

 

クラミジアとウィルスの相違点

  1. DNAとRNAの両核酸を含む
  2. リボソームを持ち蛋白合性能がある。
  3. 細胞壁がある。
  4. 2分裂により増殖する。
  5. 抗生物質に感受性がある。

クラミジアの症状