21世紀型学習:「ITは、二十一世紀の高等教育を劇的に変化させる」

1995年ごろよりアメリカの高等教育界では、インターネットを利用したオンライン講義やヴァーチャル大学が急激に普及し、すでに三〇〇〇以上ものオンラインコースが用意され、受講者も急激に増え、既存の大学の枠組みを揺るがしつつある。現在約一〇〇〇校が、IT技術を利用したオンライン教育をスタートさせているが、必ずしも統一した方向性が示されているわけではない。しかし、受講する学生は年々増加しており、一九九八年の五〇万人から二〇〇二年には二二〇万人にまで伸びている。受講生が求める、質が高く、また理解しやすい教育を提供できるかというコンテンツが重要である。年齢も、国籍も、学習動機も異なる多様な学生集団を満足させるためには、コースの内容のみが問われる。提供される内容が最新のもの、正しいものであったとしても、受け手の学生が理解しやすいか、また消化しやすいものか、という視点が重要になる。それができれば授業料はいくら高くても学生は集まる. すなわち学生・受講生は、あちこちの大学から気にいったオンライン講座を自由に選んで受講し、「自分専用にカスタマイズされた教育を受け,学習」することが可能となり、自分がなりたいと望むこと「自己実現」の機会に金を払うようになった.このような社会の変化に既存の大学は自分にあった変革を見つけ、焦点を絞り込んだ戦略によって変身しなければならなくなった.そこにつけ込んでの過度な商業化に対抗するかのように、MIT は「これまでに蓄積した膨大な「教育コンテンツ」、学部と大学院含めて2000以上の教育内容をインターネット上で無料公開し、世界中の大学・教員・学生が自由に使えるようにする」という大胆な姿勢を打ち出し、教材を無料で世界に開放するOCW open course wareを開始し、これを「オンライン教育のプラットフォーム」として、誰もが無料で自由に使えるものにしなければならないという戦略で、OKIopen knowledge iniciativeをスタートさせ衝撃を与えている(2000.04)。

MITの挑戦—高等教育の「中身と器」の公開(下)から抜粋修正)

http://www3.ocn.ne.jp/~riihe/arcadia/arcadia67.html 

 日本でも国立5大学が野村総合研究所と共同で双方向遠隔教育共同実験を開始

  http://www.nri.co.jp/news/2001/010205.html 

さらに総合学習などで学校間の授業交換が盛んになりつつある。学習者の情報をフィードバックする高度な応答技術を用いて、個々人の好み・質疑応答すべての足跡、講義取得履歴・質疑応答履歴・資料閲覧履歴をデータベースに蓄えたデータマイニング(情報採掘)を可能にして、学習者のニーズの変化に素早く対応できるように絶えず組織の再構築が迅速に出来る組織作りをする。このようにして構築されたプラットフォームやネットワークに、個々人が自らの自己啓発動機に基づいて自由に参加する社会が実現されつつある。このような社会の変革の中での日米医療の差と目指すべき医学医療のあり方について次回に述べてみたい。