結核の現状

平成10年度結核発生状況

区     分

平成 10

平成

平成

44,016人

42,715人

42,472人

 

(人口10万対)

34.8

33.9

33.7

 

16,294人

15,967人

15,035人

新登録結核患者数に占める割合

37.0%

37.4%

35.4%

非定型抗酸菌陽性を除く
新登録結核患者数

41,033人

 

 

(人口10万対)

32.4

(注)罹患率とは、人口10万人当たりの新登録結核患者数のことをいう。

(注)菌塗抹陽性肺結核患者とは、淡の中に菌を多量に出している。感染性の高い結核。

 

罹患率は34.8であり、前年の33.9より0.9増加している。これらの値は先進諸国中ではいまだ高い状況にある。

諸外国と日本の罹患率

スエーデン

5.2

1997年

オーストラリア

5.5

1997

6.4

1997

カナダ

7.1

1994

イタリア

8.5

1997

オランダ

9.5

1997

10.1

1997

デンマーク

10.6

1997

フランス

11.5

1997

ドイツ

13.6

1997

34.8

1998

また、都道府県別に罹患率を見ると、大阪府、兵庫県、徳島県などが高く、長野県、福井県、山梨県などが低い状況にある。

罹患率の都道府県別おもな順位

 

 

 

罹患率の低い5県

長野県

16.7

福井県

22.5

山梨県

22.7

宮城県

24.7

福島県

24.7

罹患率の高い5県

大阪府

70.1

兵庫県

49.2

徳島県

46.2

和歌山県

45.8

高知県

43.1

 

大都会に結核が多い理由は?

大都会には、特に、いろいろな背景を持った人たちが暮らす街には結核感染者が多いのです。しかも医療関係者の指示を無視し、途中で治療をやめてしまうなどの問題がありからでです。また、最近、途上国から来た人たちの中から高率に結核が発見されています。もともとアジアには結核が非常に多いのですが、来日して心理的ストレスもたまり、生活にも無理があって発病しやすいのでしょう。問題は不法滞在者で、医師にかからず、せっかく治療を受けても挫折するケースが多いのとのことです。

 

死亡者数

平成 10

平成

平成

2,795人

2,742人

2,858人

率(人口10万対)

2.2

2.2

2.3

死亡者数は、前年に比べて53人増加、死亡率は前年とはぼ同じです。

 

結核患者がスムーズに減らない原因は?

既感染者が高齢化してきたことがあげられる。

大蔓延時代、結核菌に感染しても発病せず、胸の中に菌を持ったまま過ごしていた人々が高齢化し、体力や免疫力が低下してきたために発病するようになりました。 事実、新登録患者の70%50歳以上です。大蔓延時代の後遺症ともいえますが、極端な高齢社会を迎える日本では、特に大きな問題といえるでしょう。逆に、49歳以下の年齢層は、結核菌の洗礼を受けていないため感染も発病もしやすいので注意が必要です。