HIV感染症の経過

HIVの量と性質、個体の免疫力のバランスで病状進行に差が出て、3つの型に分けられる。初めて感染した後のおよそ半年あたりの時期に、HIV RNAがどこまで抑えられるかで違いがある。

急速感染型の感染者は、初感染に引き続く時期のHIV RNA量が高く、急性症状が顕著である。中にはCD4陽性T細胞数が200あたりまで下がり、初感染の時にすでに免疫不全の症状が見られる。HIV RNA量はその後も高く、CD4陽性リンパ球の減少が早く、感染から数年以内に発病し死亡に至ります。

初感染でHIV RNA量は10の4乗レベルに下がり、CD4陽性T細胞数は回復するが、正常よりはやや少な目で、毎年4060ぐらい減っていき、感染から平均10年程度でエイズを発病する。最も多いタイプ。

長期非進行者である。初感染症状が乏しく、HIV RNA量も長期検出されない。CD4陽性T細胞数も維持され、感染から10年たっても500以上を維持している。この人達は、発病せずに天寿を全うするかもしれない。全感染者に占める割合がどの程度か不明だが、数パーセント以下と思われる。