インフルエンザの日本での症例

 

ここ10年間のわが国のインフルエンザは毎年11月下旬〜12月上旬頃にかけて、少数の発生が始まり、翌年の1〜3月頃に流行的発生となり、4〜5月にかけて減少していくというパターンであることが多い。流行の程度とそのピークの時期は年によって異なる。1997〜98シーズンは1997年11、12月にはほとんど患者の発生報告がなかったが1998年1月頃から急激に増加、1987年にインフルエンザのサーベイランスが開始されて以来最高の患者数が2月上旬に報告された。しかしこれをピークに2月下旬からは低下傾向に転じ、3月上旬〜下旬にかけて、流行は消退した。

 1998〜99シーズンは、1998年11、12月に少数の患者発生がみられ、1999年に入ってから急速に増加、3〜4週にかけてピークとなった後に2月頃より低下し、全体の発生数は1997〜98シーズンを下回って現在(1999年3月現在)横這い状態になっている。

 全国各地の地方衛生研究所で行われているインフルエンザウイルスの分離状況をまとめると、この10年間のわが国での主な流行株はA(H1N1)型、A(H3N2)型、B型の3種類の組み合わせで変化している。最近では、1995〜96シーズンはA(H1N1)型が流行の中心でA(H3N2)型がこれに少数かぶさるように後半に続き、B型の分離例はごく少数であった。1996〜97シーズンの前半はA(H3N2)型、後半はB型と2分され、B型は7月まで分離され、A(H1N1)型はシーズンを通して分離されなかった。1997〜98シーズンはそのほとんど(97.9%)がA(H3N2)型で、その中で抗原分析が行われたものの約半数は世界各地で流行がみられたA(H3N2)シドニー型であった。1998〜99シーズンはこれまでのところA(H3N2)シドニー型が大多数であり、シーズンの後半に入りB型がやや増加している。

これらのインフルエンザの最新動向については感染症情報センターホームページに掲載されている。