インフルエンザの世界での症例

 

19975月に出現した 新型香港ウイルス(H5N1 )について。

 

患者発生の経緯(香港特別行政区政府)

患者一覧(971229日現在、香港特別行政区政府発表)

  1. 3歳男児、   H5N1感染確認、  死亡
  2. 2歳男児、   H5N1感染確認、  全快・退院
  3. 13歳女児、   H5N1感染確認、  死亡
  4. 54歳男性、   H5N1感染確認、  死亡
  5. 5歳女児、   H5N1感染確認、  全快・退院
  6. 37歳男性、   H5N1感染確認、  全快・退院
  7. 24歳女性、   H5N1感染確認、  重体
  8. 2歳男児、 H5N1感染確認、  全快・退院
  9. 4歳男児、   H5N1感染確認、  全快・退院
  10. 1歳男児、   H5N1感染確認、  全快・退院
  11. 3女児、   H5N1感染確認、  全快・退院
  12. 60歳女性、   H5N1感染確認、  死亡
  13. 25歳女性、   H5N1感染確認、  死亡
  14. 14歳女児、   H5N1感染確認、  全快・退院
  15. 3歳男児、   H5N1感染確認、  全快・退院
  16. 19歳女性、   H5N1感染確認、  重体から回復
  17. 6歳女児、   H5N1感染確認、  全快・退院
  18. 34歳女性、   H5N1感染確認、  死亡

   

患者症例

○第一例症例の経過

 975月9日、それまで健康だった香港在住の3歳の少年が、喉の痛みと空せきを生じ、発熱した。上気道炎と診断され、抗生物質と解熱剤アスピリンを投与された。

 しかし、症状は改善せず、15日に入院。39度の発熱を記録した。血液検査の結果、白血球が減少していた。肺のX線写真は正常だった。

 516日、低酸素状態となり呼吸急迫症候群を発症したため、転院した。意識が次第に薄れていった。CTでの脳所見には異常がなく、脊髄液にも炎症の兆候はなかった。

 呼吸補助装置とかなり幅広い種類の抗生物質の投与にもかかわらず、患者は521日に死亡した。呼吸不全、腎不全、血管内血液凝固などが死因となった。死後のバイオプシーで、微小血管に脂肪が浸潤しておりラーイ症候群を発症していたことも確認された。