結核の診断

 

ツベルクリン反応…結核感染を知る最も簡単で、鋭敏な反応である。結核菌タンパクを精

製した精製ツベルクリン(PPD)を用い、ふつう0.05μg/0.1ml

皮内に注射し、48時間後に判定し、発赤が10mm以上なら陽性、4

mm以下なら陰性、5〜9mmなら疑陽性とする。

 

診断の手順

まず現病歴、既往歴、職歴などを問診し、胸部X線検査、理学的検査を行い、結核の疑いがあれば痰の結核菌検査、その他の必要な検査を行う。

 

胸部X線検査…肺は含気量の多い臓器なので、単純撮影でかなり小さい病巣も発見可能で

あり、X線検査に最も適した臓器の一つである。ふつうは背腹方向の撮影

を行うが、必要により側面や斜位での撮影、断層撮影など行う。肺結核の

X線所見に特色はあるが、これだけで結核と判断はできず、菌検査での裏

づけを必要とする。

痰などの結核菌検査…結核の診断確定のために必須の検査である。痰を染めて顕微鏡で観

察する塗抹検査で陽性は大量排菌を意味し、感染源としての危険を

示す。培養検査は少量の菌も検出できるが、結果の判明までかなり

の時間を要する。

その他の検査…赤血球沈降速度、血球算等は診断の補助検査として用いられる。気管支鏡

検査は頑固な咳があったり、X線所見からは排菌源が不明で、気管支病変

が疑われる場合に行われる。

 

診断の対象と方法

小・中学校…小学・中学1年では全員にツベルクリン反応を行う。陰性者にはBCGを接

種し、強陽性者にはX線検査を含む精密検査を行う。

高校生…高校1年生は全員、23年生は結核発病の恐れの高いものにX線検査を行う。

18歳以上の者…年に1回X線検査を行う。

定期外の検診…患者の家族、集団感染の恐れのある場合等には、随時健康診断を行える。