1.
感 染 源(以下(1)から(4)まで厚生省生活衛生局企画課監修「新版レジオネラ症防止指針」
13-17,1999より引用)レジオネラ属菌は、土壌や淡水に生息しており、土埃などと共に冷却塔水をはじめとして、広く人工環境を汚染する。
レジオネラ属菌が生息する土壌の砂塵やレジオネラ属菌に汚染されたエアロゾルが感染源となる(1)汚染水エアロゾル
a.冷却水
空調用の冷却塔は循環水の一部(約0.7%)を蒸発させることで温度を約5℃下げる。このとき冷却水はエアロゾルとなって飛散する。このときレジオネラ属菌も散布される。冷却水はレジオネラ属菌の感染源としてきわめて重要であり、これまで報告された集団発生の多くは冷却水からのエアロゾルが原因となっている。外気取入口から建築物内に流入・拡散して感染源となるだけでなく、建築物外にも飛散して周辺の住民をも感染させる。
b.
加湿器水を加熱して蒸気を発生させるhumidifierでは細菌汚染の心配がないが、噴射力、超音波振動、遠心力などを加えて水を霧状にするnebulizerでは補給水がレジオネラ属菌に汚染されている場合にはエアロゾルとなって散布される。呼吸器疾患患者の治療に使用していたネブライザーの水(米国)、大学病院新生児院内感染(日本)、野菜売り場の加湿器などの感染例がある。
c.循環式浴槽
殺菌していない場合、湯温がレジオネラ属菌の生育に適しているために、浴槽水が菌により汚染される。過流や泡立ちで湯から生じるエアロゾルが感染源となる。
d.
給水給湯設備配管や蛇口の内壁にレジオネラ属菌が定着・増殖していることがあり、湯を出したときに跳ね返りなどでエアロゾルが飛散することがある。
(2)呼吸管理装置からの直接感染
大容量高圧ガスによってエアロゾルを発生することが多い。汚染水を満たしたジェットネブライザーの使用とレジオネラ肺炎との関係が指摘されている。
(3)吸引
温泉浴槽内で溺水し回復後にレジオネラ肺炎を発症。
気道の異物排除機能が低下している場合には、水の嚥下に伴っていくらかの吸引が起こるので、院内感染レジオネラ肺炎は外科手術を受けた患者の方が受けない患者より有意に多いという報告がある。
病院内の水がレジオネラ属菌により汚染されている場合、気管内挿管による全身麻酔がレジオネラ属菌吸引の危険因子となることも指摘されている。
(4)嚥下・経口感染の可能性
嚥下したレジオネラ属菌が消化管を通して血行に入り散布されることから、経口感染の可能性は1976年のフィラデルフィアの集団感染ですでに注目されていた。日本での新生児院内感染レジオネラ肺炎では、出生後の口腔・咽頭粘液の吸引に際して生じた微小な外相が侵入門戸になった可能性も考えられる。
1.感染経路
人に感染を引き起こす場合の感染源は、レジオネラ属菌が生息する水または土壌と言うことになる。レジオネラ属菌を含む水や土壌がエアロゾルとなって空中に浮遊し、人がそれを吸入すると肺炎等をひきおこすことがある(肺に達するエアロゾルの大きさは5μm以下)。また、汚染水の吸引による経気道感染も主な感染経路となっている。何個の生菌が吸入されると人が肺炎になるかは良く分かっていない。モルモットの吸入実験では103〜105の生菌で肺炎を引き起こすと報告されている。
文献 吉田真一:歯界展望 第88巻 第3号 722〜729(1996)
厚生省生活衛生局規格課監修:新版レジオネラ症防止指針、
13、
肺?肺胞・肺胞マクロファージ(食細胞)?マクロファージ内増殖?蛋白質
分解酵素?肺組織を破壊?肺炎
レジオネラ症の危険因子
1
誘因 ○基礎疾患:後天性免疫不全症候群(AIDS)糖尿病、悪性新生物(血液疾患、肺癌など)
腎不全末期など
○旅行
○粉塵暴露
○大量飲酒
○喫煙
2
死亡率を高める因子○高齢者
○男性
○院内感染
○腎疾患
○免疫抑制状態患者
一般的な細菌L・ニューモフィラ
(症例の85−90%)・・メルクマニュアルより
感染源の割合…給水給湯水30%
冷却塔水 20%
温浴水 5%
人から人への感染はないが、共通の感染源から複数の人が感染する。
日本イオン株式会社より
講習会や、講師派遣が行われている。エンジニアリングでは、水質検査や、殺菌装置
の開発、販売がおこなわれている。