感染源と感染経路
人間と外環境(水)の2つが考えられる。
人間
:人間はコレラ菌の主要な保有源で、患者の吐物や糞便からは相当量が排泄される(コレラ性下痢1ml中に菌が1億)。患者の死体はさらに危険な感染源である。
軽微な症状の患者は潜伏期間中や回復期にあり、最終的に無症候制性の保菌者(健康
保菌者)となる。コレラ菌は水気のある排泄物や汗の中で、数日間生存できる。
保菌者でのコレラ菌の平均生存期間は6−10日で、(慢性保菌者)ではさらに長
いことが多い。感染は保菌者、患者、死体と直接手で接触することで生じる。
水と食品
:これらは付随的な感染源である。外界でのコレラ菌の寿命は比較的長く、特に汚れた水中、食品中、患者と保菌者の排泄物中では数日、プランクトンや藻類の
いる井戸水や壷の水では年余にわたる。コレラは長い間、水を介する疾患と考えられ
てきた。
1971年にアフリカ・サハラ地方の乾燥した諸国で起こった流行から、常にそうとは限らないことが解った。水中の菌の密度は、コレラの流行地より浸淫地の方が
少ない。
食品からの感染も、保菌者が触って直接汚染した料理を食べても、食品の感染毒素と
同様、感染力には限界がある。