エボラ出血熱の現状

 

エボラ出血熱は、19767月から11月にかけて、およそ千キロ離れた2つの地域で、殆ど同時に流行が突発したことから判った。1つはスーダン南部のNzaraからMaridiにかけて、もう1つは旧ザイール北部のYambukuBumba地方で、これらの地域では住民がパニックに陥り、防圧が困難となって、流行の拡散が恐れられた。

同国のキクゥイト市内及び周辺のバンダンドウ地域では、1990年代半ばにも大きな流行が起こった。1996年にはガボンのマイボウトでエボラの患者が出た。

 1976年の流行では、ザイール軍が出動した。これは患者の救助のためではなく、エボラ出血熱の患者やウイルスに汚染された地域の住民が逃げ出さないための封鎖だった。1995年の流行でも、ザイール政府は軍隊によってキクゥイトの町を強制的に封鎖した。

 今まで発生のあった国はスーダン南部、コンゴ民主共和国(旧ザイール)中央部、北部、ガボン、象牙海岸及びガボンから感染者が移動して発症した南アフリカである。1976年スーダン(死亡率53)1976年ザイール(88)1979年スーダン(65)1995年ザイール(77)1996年ガボン(66)1997年ガボン(75)など、アフリカ地域以外での発生は無い。なお、動物、昆虫などの自然界の宿主、媒介動物については全く不明。性差、好発年齢はない。

 

下記の作品は、エボラを題材に作られたフィクション、ノンフィクションである。興味のある方はどうぞ。

 

ホット・ゾーン(上・下) リチャード・プレストン著 飛鳥新社

 

エボラ〜殺人ウイルスが初めて人類を襲った日〜 ウィリアム・クローズ著 文藝春秋

 

アウトブレイク 監督:ウォルフガング・ペーターゼン

脚本:ローレンス・ドゥウォレット/ロバート・ロイ・ブール

 

参考資料 「あなたの遺伝子は汚染されている」 著:中原英臣・佐川峻

出版:早川書房

http://www.amda.or.jp/contents/database/5-7/ehf1.html