1940年代:ペニシリンの開発(化学療法開始)

5年後:ペニシリン耐性ブドウ球菌急増

1950年代:テトラサイクリン、エリスロマシン等によるペニシリン耐性ブドウ球菌の制圧

5年後:多剤耐性ブドウ球菌の出現

1959:メチシリンの開発

1960年代:メチシリンの実用化

メチシリンは、多剤耐性ブドウ球菌にも優れた抗菌力をしめし、ブドウ球菌等のグラム

陽性菌だけでなく、大腸菌、肺炎かん菌、変形菌などのグラム陰性菌にも強い抗菌力を

現す(第1世代セフェム系の登場)

1年後:英国でMRSA報告

ペニシリンや第1世代セファム系抗生剤が感染治療や術後予防投与の中心であった間は

流行に至らず

1970年代:欧米でMRSA流行、

1980年代:日本でMRSA流行

感染症の増加は、黄色ブドウ球菌に対する抗菌力が弱い第3世代セファム系抗生剤の使

用増加が密接に関与していると考えられている。第3世代セファム系抗生剤はグラム陰

性感染症によく効くが、黄色ブドウ球菌に対する有効性は第1世代セファム系より劣る。

このため感受性の鈍いものがふるい分けられ、生き延びた中に染色遺伝子が突然変異を

起こし、耐性を発現するMRSAが出現。

1991年頃:MRSAの治療薬としてバンコマイシンが使用され、効果を上げる。

1997 :バンコマシン耐性陽球菌vancomycin resistant Enterococci(VRE)報告

 

MRSA年度別分離状況(入院のみ)

S.aureus:黄色ブドウ球菌

 

検体別の菌分離状況(入院のみ)