マラリアワクチンについて

 

マラリアワクチンは現在、各国で研究途中である。ワクチン予防はマラリア撲滅を可能にする唯一の手段であり、ワクチン開発への期待はいささかも減じるものではない。

多少効果はあっても副作用が大きいため予防のメリットを上回ってしまうのでなかなか実用化できていない。

このように現在ワクチンは無い状態で、渡航中は持続的に防蚊対策か抗マラリア剤を服用するしかないのである。

 

(抗マラリア剤)

抗マラリア剤の代表として特効薬がクロロキンである。大量合成されるようになり、またたく間に世界に広がった。しかしまん延したことで、蚊体内におけるマラリア原虫の遺伝子組替えを容易にさせ、すぐに耐性種が現れた。

以降、クロロキンに代わるファンシダ−ルやメフロキンなど新薬を次々に合成していった。ここで問題になってくるのが、副作用である。


    主要マラリア薬の副作用                              

      (薬 剤)    (副   作   用)                   

 

      キニーネ    ときに胃腸障害・頭痛・耳鳴り・発熱              

              まれに興奮・難聴・不整脈・血圧降下             

      クロロキン   ときに胃腸障害・頭痛・興奮錯乱など             

              連用が10年こえると網膜障害の危険            

      メフロキン   ときに胃腸障害・平衡感覚障害・頭痛             

              発疹                          

      ファンシダ−ル ときに胃腸障害・頭痛・発疹・興奮            

                                            

                                         

これだけの副作用があるにもかかわらず実際は使われているのが現状である。

新薬が合成されていくものの代替わりする度に毒性は強くなっていくので、投薬反対の研究者も多い。

薬は時によって毒となることもあるので、一刻も早い安全なワクチンと抗マラリア剤の開発が望まれている。