A型肝炎

主として経口感染で、ウィルスに汚染された井戸水や貝類などが原因となります。ときにカキの生食などでおこります。経口感染によって体に入ったA型肝炎ウィルスは肝臓にたどり着き、そこで増殖をはじめます。(潜伏期)

一ヶ月ほどの潜伏期の間に肝臓で増殖したA型肝炎ウィルスは、肝臓から排出される胆汁中にも現れ、糞便の中に排出されます。衛生環境の悪い所では、その糞便が飲料水や食べ物を汚染して、新たな感染源となります。上下水道が完備している国では感染の広がりは少ないのですが、東南アジアやアフリカなどの開発途上国ではウィルスがどこにでもいるそうです。

B型肝炎

A型肝炎と違い、経口感染ではなく、血液・体液を介して感染します。考えられる経路として

  1. 感染者である母親から子供への母子感染(出産時に産道を通るときに感染)
  2. 医療現場での事故(陽性患者に使用した医療器具の処理中のミスなど)
  3. 性行為による感染
  4. 希に乳幼児期の怪我
  5. 病院や予防接種などでの注射から(昔は今のように注射針が使い捨てではなく、消毒などをして使いまわしていたらしいです。今は医療行為からの感染はほとんどありません)

 

<B型肝炎世界分布状況>

C型肝炎

感染の媒体となるのは、B型肝炎と同じく血液なのですが、C型肝炎ウィルスの感染力は弱く、B型肝炎のように母子感染や性行為による感染はほとんどなく、輸血や血液製剤が主な感染経路とされています。ほかに医療現場での事故、麻薬の回し打ち、注射針が使い捨てでなかった頃におこなった病院での注射や予防接種などです。このようにC型肝炎は医療行為による感染がおもな原因ですが、C型肝炎ウィルスの発見以降、輸血や血液製剤のスクリーニングが行われていますし、注射器も注射針も使い捨てにされていますので、現在は医療行為による感染はほとんどありません。

D型肝炎

D型肝炎ウィルスはHBVHBs抗原に持つ小型の一本鎖RNAウィルスで、その特徴として増殖にHBs抗原を必要とすることから、B型肝炎のHBs抗原がないと生きていられないことが挙げられます。そのため単独では発生せず、B型肝炎と同時に感染するか、

B型肝炎ウィルスのキャリアにのみ感染します。日本ではあまりみられませんが、地中海沿岸地域、中東、北欧、アメリカ、オーストラリアなどに多いので、HBVキャリアの人はこの地域を旅行する際、感染しないよう注意が必要です。

 

E型肝炎

A型肝炎ウィルスと同じように経口感染します。感染者の糞便に汚染された水などが主な感染源となります。このウィルスはアジア、北アフリカ、サハラ以南のアフリカ、地中海東部地域に広く分布していると思われます。

F型肝炎

感染経路は経口感染です。

G型肝炎

感染経路は血液感染で、HGV患者の大半に輸血経験があり輸血や血液製剤による感染とされます。

TT型肝炎

感染経路は血液感染です。

 

参照… http://www.cty-net.ne.jp/~shige/main/index.html

http://www.hct.zaq.ne.jp/family/sub05

http://www.jichi.ac.jp/usr/path/stain/docs/orcein.html