サルモネラと食品の関係

 

食品のサルモネラがどの様にして病気を起こすか

細菌は、牛肉・鶏肉・海産物・卵や特に乳製品などどんな食品にでも、更に豆穀物・オレンジ汁・メロン・芽きゃべつなどの野菜類や果物でも増殖することができる。生存し増殖するには細菌は、時間と適切な条件が必要だ。生の鶏肉についたサルモネラは、十分に加熱調理されない限り生存する。また、サルモネラは相互汚染を起こして食品由来疾患を起こす。例えば、まな板の生の牛肉や鶏肉の汁は、サラダを調理する前に洗わないなら、サラダの材料を汚染する。このサラダを室温に長くおいていたら、サルモネラは危険な数に増える。

また、SE食中毒の原因食品としては、卵料理あるいは卵製品(ババロア,自家製マヨネーズ,玉子焼,錦糸卵,ポテトサラダなど)が指摘されている。しかし、原因食のメニュ−の卵関連食品の比率は57%であり、他の事例はSEの二次感染が原因だと考えられる。食品以外の身近な感染経路としては、ペットや家畜からの感染もある。

〈事件例〉〜チ−ズケ−キ編

事件)ある食材宅配会社から購入したチ−ズケ−キを食べて、家族3名下痢、発熱などの食中毒症状を呈したもの。

その後の調べで、検便、食材からサルモネラ・エンテリティディが検出され、サルモネラ中毒と判明した。

製造工程)1スポンジ 焼成(180度10分)

2カマンベ−ルクリ−ム

牛乳・グラニュ−糖(沸騰)

←卵黄、グラニュ−糖

←ゼラチン、レモンジュ−ス

←イタリアンメレンゲ(卵白に煮詰めたシロップを)

MIX後冷凍

3仕上げ

スポンジでクリ−ムをサンド冷凍保管

原因)メレンゲに冷凍卵白(無殺菌)を使用し、加熱不足のためSEが残った

冷凍卵白の表示には、「加熱をして使用すること」とあり

〈事件例2〉〜イカ菓子編

事件)平成11年3月、川崎市で発生したイカ菓子によるサルモネラ・オラニエンブルグ食中毒事件に端を発したこの事件は、山梨県を除く46都道府県で患者の発生を見た。このような全国規模での広域発生は、過去に類のないものであり、更にイカ乾製品が原因となって、食中毒を引き起こしたことも過去に例を見ない事件であった。原因菌は、サルモネラ・オラニエンブルグ及びサルモネラ・チェスターであった。

原因) 汚染源

 環境関係調査における検査結果から、様々な汚染源が推測される中で、海鳥の糞便から菌が検出されているが、本件食中毒の汚染源を特定するには至らなかった。

  汚染経路

工場内に菌が持ち込まれる可能性としては、

  @ 原料に菌が付着して工場に入ってきたのか

  A 運搬車両又は靴等に菌が付着して工場に入ってきたのか

が考えられるが、汚染経路を特定することができなかった。