ボツリヌス菌の治療方法について

ボツリヌス菌の唯一の特異療法は抗毒素療法です。

治療には、呼吸の確保などの対症療法と多価抗毒素血清(A,B,E,F)の筋注または静注を実施することです。

しかし、病日が経過すると、抗血清治療の効果が著しく低下する為、早期の診断、治療が必要である。

1962年に我が国に導入。導入以前ボツリヌス症の致命率は30%だったが、普及後4%以下にまで低下した。

 

抗毒素とは?

ウマ・ウシその他の動物に、トキソイドまたは毒素の注射を繰り返すと、抗原であるそのトキソイドまたは毒素を試験管内で特異的に中和し無毒化する作用のある抗体(抗毒素)が作られる。抗毒素は生体内においても当該毒素を、それがまた組織細胞と結合しない限り、中和し無毒化する。そのため抗毒素は主として治療に用いられる。その他に感染→発病に対する緊急予防手段としても利用されることがある。

市販の抗毒素血清はその1ml中に500抗毒素単位以上を含むものと規定されている。

 

抗毒素単位(antixoxin unit <AU>)とは?

抗毒素の1国際単位は、デンマーク国立血清研究所保管の国際標準抗毒素の0.0628mgと定められている。これと同じ力価の抗毒素が、その国の標準抗毒素として保管されている。