淋菌

T 原因

淋菌(Neisseria gonorrhoeae),大きさ0.61.0マイクロメートルのグラム陰性双球菌であり、世界中に普遍的に存在する。

淋菌は弱い菌で患者の粘膜から離れてから、数時間で感染性を失う。日光、乾燥や温度の変化、消毒剤で簡単に死滅する。熱に対しては55℃5分以内に死滅する。

 

 

 

赤く染まっているのが、白血球内にみられる淋菌(グラム染色)

感染経路

感染源は患者粘膜からの、滲出液である。前述のように淋菌は弱い菌で患者の粘液

から離れて数時間で感染性を失うため、セックスやセックスの類似行為以外で感染す

ることはまれである。キス、便座、タオル、コップ等の接触を通じて感染することは

ほとんどない。

感染経路は尿道、肛門・直腸(アナルセックスによる)咽頭(オーラルセックスによ

)である。

 

U 症状

男の人はどうなるの?

男性の尿道に感染した場合、2〜9日の潜伏期間を経て、尿道に軽い痒みや滅っぽ

さを感じ、尿道口から最初は粘液、次いで白く濁った膿が尿とともに出るようになる。

尿道口は発赤し、排尿時に熱感または疼痛を覚える。

(放っておくと…)

前部尿道炎に続いて後部尿道炎をおこし、排尿と排尿困難を来し、排尿の終わり

出血を見るようになる。

(さらに放っておくと…)

前立腺炎、副睾丸炎を起こし、まれに慢性化して、関節炎、皮疹(四肢)、心内膜炎

などが起こる。

女の人はどうなるの?

(尿道に感染した場合)

感染後数日で、初期尿道炎または子宮頚管炎をおこす。膀胱炎を起こすと、

尿排尿困難を来すこともある。

〔男性よりも症状は軽いため、気づかず受診につながらないことあり〕

(放っておくと…)

子宮内膜炎、卵管炎、子宮周囲炎、骨盤腹膜炎などに進展すれば、腹痛や排

発熱を生じるだけでなく、不妊の原因にもなる。

(直腸に感染した場合)

便意、痛み、放屁、腸出血、痔、膿便、血便、下痢などを生じる。また膀胱

神経の障害により排尿困難をきたすこともある。

(咽頭に感染した場合)

喉の痛み、咳、上気道部のうっ血などを生じ、風邪のような症状がでる。

赤ちゃんへの影響はある?

淋菌に感染した産婦の産道からの感染により、新生児の淋菌性眼結膜炎(膿漏眼)がおこる。その予防のため、新生児には抗生物質を点眼する。

V 検査・治療について

 

(どんな治療をするの?)

ペニシリンの筋肉注射・内服

・スぺクチノマイシンの筋肉注射

・テトラサイクリン内服

・ニューキノロン内服

薬剤耐性菌が多いので注意する。

 

(どれくらいで治るのかな?)

上記の抗生物質を用いた治療により、数日で感染性がなくなり速やかに治癒する。

 

参考:淋病の月別発病割合

 

夏季に多く発生する傾向がある。

 

 

 

参考資料:

http://www.mars.dti.ne.jp/~frhikaru/std/std.html#2

http://idsc.nih.go.jp/index-j.html

http://www.hakodate.or.jp/akiyama/knowledges/STD/std.htm