インフルエンザ

2000231 寺山志穂

2000232 徳永美香

2000233 中山和美

2000234 初村美貴子

2000235 林良美

2000236 原田直子

 


GIO

 

インフルエンザについて理解し、知識を深める。

 

SBO

 

以下の6項目について説明できる

    • ウイルスの特徴
    • 予防法
    • 症状
    • 治療法
    • 社会政策
    • 合併症

 


  1. インフルエンザウィルスの特徴

    1-1 インフルエンザウィルスの形

写真は、電子顕微鏡で撮ったインフルエンザウイルスの像です。落花生のような形をしていて、周囲にヘマグルチニン(Hemagglutinin)ノイラミニダーゼ(Neuraminidase) などの突起が薄く見えます。インフルエンザウイルスの感染や抗体による防御にはこのヘマグルチニン、ノイラミニダーゼの働きが重要で、ウイルスの型を示す時に用いられるH、Nは HemagglutininのH、NeuraminidaseのNからきています。

 

 

 

NP:ウイルスの遺伝子を包むタンパク質、A,B,Cの3つの型がある。これによりA型、B型、C型等のインフルエンザウイルスと決定される。

HA:ウイルスの細胞への感染に関与し、H1〜15の15型がある。

NA:ウイルスの細胞からの遊離に関与し、N1〜9の9型がある。

1-2 ヘマグルチニンとは?

インフルエンザウイルスの表面にあるスパイクのひとつに赤血球と結合する性質があり、インフルエンザウイルスと赤血球を反応させると、赤血球の凝集が起こります。このスパイクを赤血球凝集素(ヘマグルチニン:hemagglutinin:HA)といいます。ヘマグルチニンには、赤血球以外にも血清中の糖蛋白や感受性細胞と結合する働きがあり、ウイルス感染を進める役目をしています。現在までに報告されているインフルエンザウイルスのヘマグルチニンには15種類あり、ヒトではH1,H2,H3,H5の4種類が確認されています。また、ブタではH1,H3、ウマではH3,H7、アザラシでは、H4,H7の2種類で、限られた種類のヘマグルチニンしか確認されていません。トリでは15種類すべてのヘマグルチニンが確認されています。

 

1-3 ノイラミニダーゼとは?

ノイラミニダーゼは、ヘマグルチニンと同じくウイルス表面にあるもう一つのスパイクで、細胞表面などから遊離する働きがあります。この働きによってウイルスは、未感染の細胞へと次第に広がっていくことが出来ます。現在、9種類のノイラミニダーゼが報告されており、ヒトではN1、N2の2種類だけがわかっています。ブタ(N2,N3)、ウマ(N7,N8)、アザラシ(N6,N8)も共に2種類しか見つかっていませんが、トリは9種類全てが確認されています(表2)。

 

1-4 インフルエンザウイルスの命名法

インフルエンザウイルスの命名法は国際的に次のように表すことに決められています。ウイルスの型(A,B,C)/分離動物/分離地/分離番号及び分離年/HAとNAの型。

1999年に東京で初めて分離されたAH3型ウイルスでは、A/東京/1/99(H3N2)となります。(ヒトから分離された場合は、分離動物名が省略されます。)A(H3N2)型のウイルスは1968年に流行した香港風邪が有名なのでA香港型と略称されます。

1995年から1996年にかけての冬、日本ではA(H1N1)型のウイルスが流行しましたが、この型のウイルスは1977年に流行したソ連風邪にちなんでAソ連型と呼ばれます。

その他に1918年スペイン風邪、(H1N1)1957年アジア風邪(H2N2:Aアジア型)などの流行があります。

 

1-5 香港で現れた新型インフルエンザウイルスについて

香港保健省は、'98年1月21日現在、H5というトリのインフルエンザウイルスに見られる新型インフルエンザウイルス=A(H5N1)型の感染者18名を確認し、6名が死亡したと発表しています。'98年1月14日以降、この型のウイルスによる新たな患者は発見されていません。また、’99年4月8日には、H9というインフルエンザAウイルスの新亜型が発見されました。このウイルスはトリのインフルエンザウイルスでありながらヒトから検出された初めての例です。香港において、このA(H9N2)ウイルスに感染した患者総数は7名となり、中国でも’99年3月に5名の感染が確認されています。

現在までの調査の結果では、A(H5N1)ウイルスは、ヒトではごく少数の発生にとどまっているため、人から人への伝染力は比較的低いと考えられています。また、A(H9N2)ウイルスによる感染例は、トリからヒトへの感染であり、ヒト−ヒト間の感染は無いものと考えられています。万一、A(H9N2)ウイルス感染が起こったとしてもヒトにおける他のA型インフルエンザウイルスの臨床症状と似た症状を引き起こし、治療も従来のインフルエンザと同様です。

現在までのところ、動物の肉を食べてインフルエンザに感染したという報告は世界的にありません。仮に肉に付着している場合でも、食べる前に加熱調理するとインフルエンザウイルスは感染力を失います。

参考文献へ

 

2. 風邪(普通感冒)とインフルエンザの違い

 

http://www.asahi-net.or.jp~AI7N-NKMR/cure.html

http://www.pref.mie.jp/KENKOT/gyousei/influ99/Qa.htm

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3. インフルエンザの治療法

一般的なインフルエンザに対する治療としては、症状に応じた対症療法が基本となりますが、インフルエンザを治すのに一番よい方法は、やはり、栄養や休養をとることです。薬は、必要最小限に抑えた方がよいです。

 

4. 予防

 

冬季(12月から3月)に、体の抵抗を落とさないようにする。

過労を避け、十分な睡眠を取る。

栄養と休養を十分に取る。

 

外出後、うがい・手洗いを励行する。

 

人ごみを避ける。

 

マスクをつける。

冷たい空気から喉を守る。

咳やくしゃみなどで他人にうつさないようにする。

 

加湿器などを使用する。

鼻、喉を乾燥から守る。

 

ワクチン接種をする。

 

ワクチンついて

 

インフルエンザに対して科学的な予防方法として世界的に認められているものは、現行のインフルエンザHAワクチンである。WHOでは、世界から収集したインフルエンザの流行情報から次のシーズンの流行株を予測し、ワクチン株として適切なものを毎年世界各国に向けて推奨している。我が国では、WHOからの情報および全国の衛生研究所からの情報を国立感染症研究所が収集し、これに基づいてワクチン製造株が毎年選定されている。

インフルエンザワクチンの副作用は、痛みや微熱程度の軽度なもので頻度も少ない。接種から、3〜4ヶ月しか有効とされる効果を期待できないため、インフルエンザの流行最盛期である12月〜1月を目途に接種する事が必要。抗体価の上昇には2〜3週間が必要なので、11月頃の接種が効果的である。特に受験生、病気(呼吸器、心臓、腎臓などの疾患)を持っている人、体力のない高齢者はワクチンを受けたほうがよい。

ワクチンとして予想したウイルス株と違うものが流行した場合でも、大幅な抗原変異でない限り、ある程度の予防効果がある。(菅原らの報告)

…完全に一致した場合:70〜90%の発病防止効果がある。

   …予想株が異なるウイルス株が流行した1992〜93年の場合:675%の効果

 

 5. 感染経路

 

主に、直接飛沫感染である。患者の鼻やウイルスで汚染された手指などによって間接的に感染することもあります。インフルエンザは、ヒトのみならずトリ・ブタ・ウマなどの動物にも知られています。ニワトリを含む鳥類のインフルエンザウイルスは、ヒトには感染しないが、ブタには感染すると言われます→。中国のある地方では、アヒルが泳いでいる湖・沼の水にトリのインフルエンザウイルスが検出され、その水を飲むブタがトリインフルエンザウイルスの感染を受けているそうです。そのブタを飼育しているヒトが、ブタからインフルエンザの感染を受けるようです。そのウイルスは、トリウイルスの遺伝子を一部保有するブタウイルスの新型となります。中国を発生源として香港から世界に拡がったのが新型の香港型インフルエンザウイルスと考えられています。

A型インフルエンザウイルスが人集団で大流行を繰り返す傾向がある。A型は表面抗原の変異株が出現しやすく、変異抗原に対する抗体保有率が低いと、世界的大流行を引き起こします。

 

http://tag.ahs.kitasato-u.ac.jp/tag-wada/noframe/l017.htm

http://tag.ahs.kitasato-u.ac.jp/tag-wada/noframe/YOUGO.HTM

http://www.pref.ibaraki.jp/news/98news/n99011403.htm

http://www.takara.co.jp/bio/goods/new/new2/new2-18.htm

 

 

6. インフルエンザの合併症

 

6-1 特徴

    • インフルエンザは、数週間の間に一ヶ所で大流行することが多い。→入院患者が増える。
    • すでにかかっている慢性病を通じて合併症を発症することもある。
    • 高齢者、乳幼児、呼吸系の病気や心臓病を患っている人に発生しやすい。

特に肺疾患(慢性気管支炎、ぜんそく、嚢胞(のうほう)性線維症 )は、高齢者ほど症状が重くなる。

最近の二次感染による肺炎・慢性気管支炎…高齢者に多い。

ウィルスによる肺炎、肺水腫、心筋炎、ライ症候群

小児のインフルエンザ脳症・脳炎

 

6-2 さまざまな合併症

肺炎

高齢者では変則的な症状が見られる。

最初の数日に急速に進行し、高熱が出た後、呼吸困難やチアノーゼ(血中酸素不足)に陥るほどの咳が出る。

(1)細菌による肺炎

    • 最もよく見られる型の肺炎
    • インフルエンザの症状が改善した後に、再び発熱やその他の気管支への感染が考えられる症状のある場合には、かかっているかもしれない。

(2)細菌およびウィルスによる肺炎

    • 心臓血管疾患、肺疾患患者に多い。

(3)ウィルスによる肺炎

    • ほとんど見られない。

 

心臓疾患系の合併症

インフルエンザに罹患中に心電図に変化が見られることがあるが、すでにかかっている心臓病がインフルエンザの間接的な影響で悪化したもの。心筋炎、心膜炎など。

 

Rhabdomyolysis

小児がB型インフルエンザに感染した場合は、筋肉に障害が出やすい。

肝臓にも障害が出る。

 

ライ症候群

肝臓および中枢神経へのウィルスの感染により発生。

特にB型インフルエンザ感染後に多い。

感染者のほとんどは子供。

サリチル酸塩の使用に関わっている。アスピリンの使用が関与しているという説もある。

精神障害。脳浮腫による嘔吐。

 

インフルエンザ脳症

    • 1998年にインフルエンザの臨床経過中に発生した脳炎/脳症の特徴
      年齢:中央値
      3歳、5歳までに全体の82.5%
      インフルエンザの発生から脳炎、脳症の症状が出るまで…平均
      1.4
    • A香港型インフルエンザウィルス感染に伴って発症することが多い。
    • 欧米では日本で報告されているようなインフルエンザ脳症の多発は見られない。

      人種、ヒト白血球抗原、薬剤などの要因も考えられている。
    • 発生機序は現在のところ不明。
    • 症状
      ・最初は発熱、頭痛など非得意的
      ・小児…不機嫌・泣く・腹部膨満・悪心・嘔吐
      ・次第に神経障害に起因する症状が出現。
      −意識障害・奇異行動・痙攣・脳神経症状・麻痺など
      −症状は停滞したり進行したり、変動しがち。
      ・発熱が高くなるほど死亡率が高くなる。
      42度以上100%死亡、41度以上42%死亡
    • 確立した治療法はまだない。

    • 日本でのインフルエンザ脳炎/脳症は増加している。
      1997-98シーズン 100-200
      1999全国調査 200
      増加の原因は不明

http://ha7.seikyou.ne.jp/home/KandN/tyousakekka.htm#

http://www.who.int/emc-documents/influenza/docs/index.htm/sec7.htm

http://www.kakogawa.or.jp/kakomed/memo20.html

http://www.nms.co.jp/cold/kaze4.htm

http://www.sleeptight.com/EncyMaster/I/influenza.html

 

7. インフルエンザ 社会政策について

7-1 予防に向けての普及啓発活動の推進

    • インフルエンザ予防リーフレット、ポスターの作成・配布
    • インフルエンザQ&Aの作成・配布
    • インターネットHPを活用した普及啓発
    • シンポジウム、講演会等の開催

7-2 蔓延状況の早期把握と国民への提供・公開

…感染症予防及び感染症患者に対する医療に関する法律(感染症新法)に基づく

    • インフルエンザの発生動向調査の収集及び分析強化
    • 感染症新法に基づくインフルエンザ患者発生状況の把握
    • 学校におけるインフルエンザ様疾患発生状況の把握

…幼稚園、小・中学校でのインフルエンザ様疾患による学年・学校閉鎖が実施された場合、その施設数とその時点において休んでいる学童等の数を収集・分析し、結果を毎週報告する。

    • インフルエンザ流行の迅速把握
    • インフルエンザ間連死亡の把握

7-3 相談窓口の設置

7-4 ワクチン確保と予防接種の推奨

…今冬は昨冬の2倍以上のワクチン供給量を予定

ワクチンの効果、副反応等の正しい知識の普及に努め、希望するものが接種を受けやすい体制を構築する。高齢者等の高危険群に属するものに対しては、自己判断を原則とし、積極的に情報提供を行い接種を推進する。

7-5 医療の提供への支援

7-6 施設内感染防止対策の推進

…インフルエンザウイルスの侵入と蔓延防止を目的とした手引きの策定

7-7 研究開発・調査の推進

7-8 間連機関とのとの連携強化

7-9新型インフルエンザウイルス出現等への対応

 http://www.mhw.go.jp/search/docj/other/topics/influ99_11/index.html

 

ラアエォ