べん毛を持つ代表的な生物とは?

担当 澤座

 

A.植物性べん毛虫類 PHYTOMASTIGOPHOREA

 

1.ユーグレナ類 EUGLENINA

Astasia klebsi

<形態>
紡錘形で、先端はまるく、後端はとがる。大きさは10μm(マイクロメートル:100 万分の1m)程度から400μm程度まで多様。2本の鞭毛をもつが、1本は退化形で、細胞先端の鞭毛溝の中にかくれている。そのほか、緑色藻類の共生によって獲得された葉緑体や、光をあつめたりさえぎったりする眼点をもち、光合成の結果つくられるパラミロンとよばれる多糖を細胞内に蓄積する。

<生息域>

家庭下水、汚水域に広く分布し、泥土表面から容易に採取される。

 

2.クリプトモナス類 CRYPTOMONADIDA

Chilomonas paramaecium

 

<形態>
細胞は長円筒形ないし楕円形で、一側に扁平。前端は斜に切断され、その中央部がくぼんで、深い口溝に続く。後端は細まって丸く終わり、時に軽く曲折する。また、前端腹側より深い口溝が陥入し、その背側壁に沿って、屈光性の顆粒(毛胞)が8列配列し、各列は10〜16粒を数える。2本のほぼ等長の鞭毛が口溝前縁部から生じている。口溝始部の側面に1個の収縮胞をもつ。大きさは、20〜40×8〜15μmである。

<生息域>

汚水性の池沼、溝に普通で、世界各地に広く分布する

 

3.クリソモナス類 CHRYSOMONADIDA

Chromulina rosanoffi

<形態>
細胞は卵型ないし、紡錘形で、前端は一般に丸く、後端は細まる。また、細胞の前端より、前方へ伸びる単鞭毛を生じ、長さはほぼ体長に等しい。鞭毛は2列の毛状付属物をもつ羽形鞭毛である。大きさは8〜9×4〜6μmである。

<生息域>

湧水が流入する山間のがけに面した小池に増殖し、分布は広い。

 

 

4.クロロモナス類 CHLOROMONADIDA

Goniostomum semen

<形態>
細胞は倒卵形で背腹に著しく扁平となり、背面はふくらみ、腹面は扁平である。細胞前端には、円錐形の陥入部(貯胞)が発達し、その開口部は頂端をはずれる。貯胞側壁から2本の鞭毛を生じる。また、鞭毛は不等長で、遊泳鞭毛はほぼ体長に近く、後曳鞭毛は体長よりやや長い。大きさは40〜70×10〜20μmである。

<生息域>

ミズゴケ湿原や泥炭池に生息する。

 

5.ボルボックス類 VOLVOCIDA

Chlamydomonas reinhardi

<形態>
前端より等長の双鞭毛を生じる。大きさは14〜22×14〜22μmである。

<生息域>

各地の小水域に広く分布する。

 

 

B.動物性鞭毛虫類 ZOOMASTIGOPHOREA

 

1.キネトプラスト類 KINETOPLASTIDA

Bodo edax

<形態>
基本的には小さな長卵円形あるいは紡錘形。しかし、変形しやすい。鞭毛は2本あり、そのうちの1本は前方に向かい、他の1本は後方に向かう。鞭毛基部にはそれぞれ小さな顆粒があり、これを生毛体という。大きさは11〜15×5〜7μmである。

<生息域>

有機質の多い水域に普通にみられる。

 

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