化学走化性のしくみ
担当 迫田
化学走性とは、化学的な濃度勾配に応答した細胞の方向性のある動きをいう。化学走性の刺激によって一連の現象が開始される。すなわち、食細胞を炎症部位に導き、最終的には異質な物質を摂取し、分解する、ということだ。構造的には無関係な多岐多様な物質が食細胞の化学走性を刺激する。これらのものを、化学走性因子という。
多くの物質が白血球に対して化学走性活性を持っている。補体系の Bb 因子、活性化
された血漿カリクレインフィブリンに由来するいくつかのペプチドなどが含まれる。更に、
別のクラスの化学走性物質としては、例えば、5‐ヒドロキシ‐6,8,11,14‐エイコサテトラエン酸、12-ヒドロキシン-5,8,10-ペプアデカトリエン酸、ロイコトリエンB4のようなアラキドン酸の代謝に由来するある種の脂肪酸がある。
化学走化性は食細胞表面上の特異的な高親和性の受容体と化学誘引物質の相互作用によって開始される。この過程は、小ペプチドを用いて研究されてきた。このペプチドは化学走性を有し、バクテリアによって放出されるホルミル化された化学走性ペプチドに類似したものと考えられている。受容体との相互作用の後、化学走性に含まれる過程については現在のところほとんど解明されていない。しかし、食細胞へのカルシウムの流入の増加は、これらの過程と重要な関連を示すものと思われる。
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