3.増殖測定法
細菌の増殖を測定するには、
がある。一定の細菌で一定の培養条件では菌数と菌量とは比例する。しかし一定の細菌の培養条件をよくして増殖速度を早くすると、1個の菌の量は大になる。
a)全菌数測定
b)生菌数測定
@平板塗布法、A混和培養法、Bメンブランフィルター法があり、集落形成能をもった菌数を数える方法である。しかし、
1つの集落を形成する最初の菌が数個くっついているときには、正確に菌数を数えたことにならないので菌種によっては正確な数を求めることはできない。一般に集落数の信頼度は数えた集落数の総数によって決まるので、集落数の少ない平板を何枚もまくより、集落数が多くなるように1枚の平板に巻いたほうが精度が高くなる。もちろん平板上の集落数が多すぎると集落が重なり合って不正確になる。生じた集落数から生菌数をCFU/mlで表現する。また、試料を希釈してから平板に塗布することになるが、1回の希釈の確率誤差をa%とし、そのような希釈をn回行ったとすると、希釈に伴う誤差はa×
2)菌量測定法
乾燥重量、窒素量、
DNA量、RNA量、タンパク量、培養液を遠心して沈殿した菌の体積などを測定する方法があるが、最もよく行われるのは光電光度計を使用して濁度(turbidity、OD)を測定する方法である。この方法ではもちろん死菌も入ってくる。濁度法は最近がR型でclumpingしていたり、色がついていて吸収があるときは使えないことがある。通常完全培地では600~660nm、最小栄養培地では420~560nmの波長を使用して着色の影響を少なくし、かつ感度がよい波長を選ぶ。