5.連続培養 continuous culture

 

定常状態の細菌の培養を半永久的に持続させる用法を連続培養法という。細菌の培養液中に新しい培地を連続的に追加し、余分の培養液を排出して、細菌が一定の濃度、一定の増殖速度で増殖しつづけるように工夫した培養法であり、それには2つの培養法がある。

  1. 培養されている菌の濁度を一定に保つ方法で、Turbidostat とか Breeder と呼ばれている装置を用いる。
  2. この方法では使用している菌が、その使用培地、その環境で示す最大の発育を示しており、バッチ培養における対数期とよく似た状態である。

    菌の濁度は適当に調節できるが、菌の増殖速度を変えるには、培地の組成や、培養条件を変えねばならない。

  3. 細菌の増殖速度を適当な制限栄養物質の濃度や、それを加える速度によって調節する方法であり、Chemostat とかBactogen と呼ばれる装置を用いる。

この方法では菌が常に制限栄養物質について飢餓の状態になっているので、正常の対数期の状態とは多少異なっているとも考えられるが、増殖速度が一定のものに規定されているという意味ではむしろ明瞭な培養系とも言える。

これらは変異株の分離、変異率の研究、生理的変動の研究などに利用される。