PrP(Protease-resistant protein)
- 病気の検体にのみ見つかる、プロテアーゼKに抵抗性を示す桿状構造の主成分。
- プリオンの感性性に必要十分。
- 宿主染色体にコードされている。
- 宿主染色体上の遺伝子は生育には必要でないが、正常な神経機能(長期増強や記
憶、さらには日周期リズムなど)には必要。したがって、正常型蛋白の機能が失わ
れ、また異常蛋白が蓄積すると、脳細胞が死滅してスポンジ状になってしまうのであ
る。
- 宿主遺伝子の存在はプリオン粒子の感染と病気の維持に必須。
- 宿主での大量発現により、発病する。
- 病原体型(PrPSc)と正常型(PrPC)の違いは蛋白質の折り畳み方だけ。どうや
ら病原体型が存在すると正常型の蛋白がそれを鋳型に病原型に折り畳まれてしまうよ
うだ。(図1参照)
病原体型のPrPは正常型に比べてβシートという構造を多く含み、熱・酸・タンパ
ク質分解酵素などの攻撃に対して耐性を有している。
http://www.cmpharm.ucsf.edu/home/wallacea/public_html/prion/pictures_public.html
- 脳内のアミロイド斑に局在。
- N-linkedグリコシレーションされた糖蛋白質で、膜に局在する。
- 核酸を持たない遺伝性因子で、今までの生物学のセントラルドグマ(DNA-RNA-
蛋白質という遺伝情報の流れ)を覆す非常に注目すべき性質を有している。
<図1>


http://www.nobel.se/announcement-97/animation/med-ani1.html
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