ヘモフィリス・インフルエンザの概要

ヘモフィルス・インフルエンザ(Haemophilus influenzae)が有名。口腔内に常在する細菌で、感染防御機構が局所的に低下したときに発症する(自家感染)。従って気道・呼吸器感染症、鼻・副鼻腔炎、化膿性中耳炎、化膿性髄膜炎などの起炎菌となる。他に、眼瞼炎の起炎菌となるヘモフィルス・アエギプチウス(H.aegyptius)と軟性下疳の起炎菌であるヘモフィルス・ドゥクレイ(H.ducreyi)がある。     

ABPC、ミノマイシンが有効であるが、耐性プラスミドを有する臨床分離株が10〜30%認められるようになった。従って、内服ではオーグメンチン、ユナシン、タリビット、セフスパンなどを用いるのが無難。注射薬では第三世代セフェムが著効する。

@ヘモフィルス属インフルエンザの形態を調べる

ヘモフィルス属について

ヘモフィルス属は、グラム陰性菌の小桿菌であるが、時に球状、まれに紐状ないし繊維状になり多形態性を示す。鞭毛はなく芽胞も形成しない。属名haemophilusとは、血液を好むという意味であるが、その名のとおり、血中にある

発育因子であるX因子とV因子とを要求する菌種と、どちらか一方の因子のみを要求する菌種とがある。H.influenzaeは、どちらも要求する。 X因子はHeminであり熱に安定である。V因子はNAD(cornzymeT)及びNADP(coenzymeU)で、熱に不安定である。

上気道に常在しているが、膣や腸管から分離されることもある。本属の基準種であり、ヒトに病原性があるのは、H.influenzaeである。

インフルエンザ菌の歴史

1892年インフルエンザ流行時に、Pfeifferによって、その病原菌として分離され、インフルエンザ菌と命名された。もちろん現在では、インフルエンザウイルスが、インフルエンザの病原微生物であることはわかっている。インフルエンザ流行時に、病死したヒトの肺から本菌種だけが分離されることがあり、ウイルス感染に相乗的に働いて、病状を悪化させていると考えられる。Pfeiffer‘s bacillus の別名がある。

インフルエンザ菌の形態

大きさは、0.3−0.5*0.5-3.0μmであるが、多形態性であるのが特徴であり、しばしば長い繊維状になったり、大桿菌にみえることがある。また連鎖して、レンサ球菌と似た形態を取ることもある。グラム陰性だが、偽染色性を示すことがある。

参考文献

http://www.courses.ahc.umn.edu/medical-school/IDis/Bacteria/h.influenzae.html

(画像を利用しました)

http://www.ueha.org/els/epidemiology/epifacts/hflu.html

(一般的なヘモフィルス・インフルエンザについて問答形式になってわかりやすく説明してあって

便利でした)

http://www.ncgr.org/gsdb/haemophilus.html

98062 久留 有夕美

 

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