Haemophilus influenzaeの感染経路

 

 インフルエンザはInfluenzae virusによっておこる。今回調べたHaemophilus influenzae

(以下H.influenzae)はインフルエンザの二次感染菌で、Influenzae virusと協調的にはたらくと考えられているグラム陰性菌でありインフルエンザの起炎菌ではない。H.influenzaeはヒトの鼻咽頭粘膜や口腔粘膜に常在(保有率:数%〜50)しており、環境には存在しない。

     感染経路を簡単に記すとこのようになる

     @ ヒトの鼻咽腔に常在

Influenzae virusに感染

     A 経気道感染…microfilament依存性の鼻腔粘膜上皮細胞への侵入

 

    1. phagosome中、基底膜下で増殖…慢性気道感染症、急性細菌性髄膜炎、肺炎、副鼻腔炎、中耳炎、扁桃炎、咽頭炎などを起こす。
    2.  

    3. 直接血中に侵入

 

H.influenzaeが鼻腔、扁桃など頭頚部の粘膜に常在しているのは……

 H.influenzaeはヒトIgDに高い親和性を示す蛋白質protein Dを産生することが判明している。頭頚部の粘膜内にはIgDを産生する形質細胞が比較的多数分布することが知られており、H.influenzae感染および常在との因果関係が推定されている。常在するH.influenzaeの多くは病原性をもたないR型菌である。

 

H.influenzaeの増殖……

 H.influenzaeを培養する際に必要な発育因子は、Hemin(X因子)NAD(V因子)である。これらは血液中に存在するがヒトの血液を用いて培養するのは難しい。普通はチョコレート寒天培地で培養するが、検査室によってはV因子不活性化酵素NADaseの比較的少ないウマやウサギの血液を用いることもある。そのばあい、ニコチン酸アミドはV因子を破壊する赤血球のヌクレオチド分解酵素を抑制するために加えられている。培養されたコロニーは独特の不快臭を発する。

参考資料;HP「感染症の病理 Pathology of Infection 症例4

98064樋渡敦

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