1.VRE Vancomycin Resisutant Enterococci)とは?

抗生物質バンコマイシンに耐性を持つ菌であり、病原性は弱いが伝播力が強い、といわれている。1986年にイギリスとフランスで初めて発見された。89年にはアメリカでも確認されている。MRSAに対してバンコマイシンが多用されたことが原因といわれている。VREの出現過程は以下の通りである。詳細については獲得機序の項に記載する。

 

 

2.VREの種類と特徴

1VREの種類と特徴を示す。

 

腸球菌のグリコペプチド耐性の表現型はバンコマイシンとテイコプラニンに対する耐性のレベルおよび誘導性の有無をもとに以下の3つのタイプに大別されている。 

VanAタイプ

獲得性の誘導型の耐性でバンコマイシンとテイコプラニンの両者に高度耐性を示す。

VanBタイプ

VanAと同様に獲得性の誘導型の耐性であるが、バンコマイシンに対する耐性レベルは様々でテイコ プラニンには感受性を示す。

VanCタイプ

構成型の低レベルの耐性で特定の菌種に内因性に存在する。

 

これらの薬剤耐性を支配するのはそれぞれに特異的な耐性遺伝子vanAvanBvanCの存在である。vanAvanB遺伝子保有菌は臨床上重要なEnterococcus faecalisEnterococcus faeciumのいずれからも分離されている。また、vanC遺伝子は菌種特異的な内因性の耐性遺伝子であり、vanC1vanC2vanC3に分類され、それぞれEnterococcus gallinarumEnterococcus asseliflavusEnterococcus flavescensに特異的である。

 

(参考文献)

院内感染と抗生物質 http://village.infoweb.ne.jp/~tsuneda/TextPages/Innaikansen.html

 http://www.bvj.co.jp/news/no09/index03.html

 


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