クリプトコッカスネオフォルマンスの病原性
C.neoformans
はAIDSなどの免疫疾患の人に日和見感染を起こさせる病原菌である。クリプトコッカスネオフォルマンスを病原菌にする要素は
2つの主なグループに分けられる。1つは感染を成立させ、ヒトという宿主の中で生き残るために必要とされる基本的な特徴を意味し、2つ目は病原性の程度に影響を与える毒性の要素を意味する。
病原性の基本的特徴
交配種
a交配種より30〜40倍多くあるα交配種が発見された。そのα交配種とa交配種の傾いた割合は、2種のテスト品種間での子孫の割合が1:1という結果なのでα交配種子孫の遺伝的優位の為ではないと考えられていた。そのかけ離れた割合の原因を調べる為、交配種のみ異なるクリプトコッカス・ネオフォルマンスの共通遺伝子の品種を一対作り上げた。これらの共通遺伝子品種の残存物の研究により、α交配種は重要なことに、マウスに静脈投与されるとa交配種より毒性が強いことが明らかになった。α交配種に感染した80%のマウスが36日以内に死んだのに比べ、a交配種に感染したマウスの80%が死ぬのには93日かかった。クリプトコッカス・ネオフォルマンスの交配種の位置は複製され、部分的に特徴づけられている。
生体外での成長
C.ネオフォルマンスは人間に感染すると、37℃で二酸化炭素およそ5%、PH7.3〜7.4という大気の中で成長する。37℃で生き残る為、構成物はC.ネオフォルマンスのカルシネウリンAを触媒物質に記号化する完全な遺伝子を持っているに違いない。カルシネウリンA変異体は24℃で成長するが、生体内の37℃、5%の二酸化炭素、アルカリ性のPHの中では生存できない。よって、カルシネウリンA変異体は、人体では生存できないだろう。実際、これらの変異体が免疫抑制されたラビットでは病原性がない。カルシネウリンAはC.ネオフォルマンスが宿主内で生き残るのに必要なさいに現れるので、結果として有機体の病原性の必要要因となっている。
毒性要因
毒性要因は微生物の病原性の程度を高める。C.ネオフォルマンスはたくさんの毒性要因をもっている。今後述べるだろう毒性要因は、カプセル、クリプトコッカス産物、メラニン産物、マニトール産物、そしてスーパーオキシドデスムターゼ、プロテアーゼ、ホスホリパーゼB、リソホスホリパーゼといった潜在的要因である。多糖カプセルとC.ネオフォルマンスの可溶性体外構成物はおそらく最有力毒性要因である。
カプセル
C.
ネオフォルマンスは、片方が−D−キシロピラノージルと、もう片方が−D−グルクロノピラノージルとくっついたα−1,3−D−マノピラノーゼの骨組みをした高い分子質量の多糖から主になっている。この多糖はグルクロノキシロマナン(GXM)として言及され4つの定型を持っている。カプセルはC.ネオフォルマンスの主な毒性要因である、というのもカプセルの変異体は典型的に無毒で、一方カプセルで分離されたものは毒性の程度が違うという証拠が示されている。同様の観察がCAP64遺伝子でなされてきた。生化学機関はまだ定義していないが、二つの遺伝子はカプセル型と毒性にかかせなそうだ。
白血球上の化学的効果
C.
ネオフォルマンスのいくつかの特質として、宿主がより効果的に組織から生物を排除するの可能にするが、一方で、生物を宿主の防御から守る特質もある。定型AとDのカプセルはニュートロフィルに化学的効果を示す。さらに、クリプトコッカスカプセルが相互的に働くことで補足が固定され、この過程でC5aのような化学ペプタイドが作られる。白血球の化学的方策がこれらの機能それぞれによって導入されることは宿主にとって利点となる。
補完物相互作用の効果
組織の中でクリプトコッカス・ネオフォルマンスによって定着している補完物は化学因子の産生や感染した場所への白血球の誘引を引き起こす。一度感染した組織では白血球が互いに影響し合い、生物(
Cネオフォルマンス?)を殺す。補完物が定着するにつれてC3bとC3biはクリプトコッカスの表面に堆積させられる。カプセルはC3bとC3biの堆積物を覆うことができるが、もし、それらが完全に覆われていなければ堆積された補完物の構成要素は、クリプトコッカスがCR3レセプターに結合するのを容易にする。そのような結合の相互作用は宿主に有利に働く。それらは白血球が「extracellularly」か後食作用でクリプトコッカスを殺す機会を増している。生物(Cネオフォルマンス)はGXM抗体によってオプソニン化されるが、カプセルは抗体のFc部をふさいで、それが食宿主細胞のFcレセプターと結合するのを妨げている。カプセルのこれらの機能のいくつかは宿主に有利に働くが、もし、カプセルが非常に大きいと生物は守られる。クリプトコッカスは宿主中の補完物を激減させ、クリプトコッカスに有利な環境を作る。
食作用の効果
結局のところ、カプセルは宿主よりも生物に有益に働く。カプセルを持つクリプトコッカス・ネオフォルマンスは細胞はカプセルのない変異と同じ範囲に入る好中球、単球、マクロファージによって食作用を受けたり、殺されたりしない。カプセルを持つクリプトコッカス。ネオフォルマンス細胞はカプセルのない細胞やパン酵母より強く負に荷電した表面を持つ。高い負の荷電は生物と負に荷電した宿主エフェクター細胞との間に静電気の反発作用を起こし、クリプトコッカスの除去に必要とされる本質的な細胞間相互作用を減らす。
作り変えられた抗原の提示
カプセルで覆われた生物の取り込みに対するマクロファージの無能さは
T細胞への抗原提示を減らし、その結果、免疫反応を減らす。また、抗原提示はカプセルを持つクリプトコッカスでは、カプセルのない系統で起こる程効果的ではない。カプセルのない細胞と違ってカプセルを持つものを分離したものはT細胞では、カプセルのあるイーストで細胞が刺激されていることを示す抗原によるインターロイキンー1(IL-1)の分泌の減少のため、増殖反応を刺激できない。
サイトカイン物質の効果
食作用に抵抗するのに加え、より高い殺菌への抵抗がある。サイトカイン物質の誘導の信号は、単球やマクロファージの、カプセルのないクリプトコッカスへの接着の直接の結果でありえるし、あるいは、カプセルのないクリプトコッカスによって引き起こされた食作用過程の結果でもありえる。カプセルが食作用を防ぐので、食作用過程によって引き起こされるどんなサイトカインも、カプセルのある
C/ネオフォルマンス細胞によって引き起こされない。もし、クリプトコッカスの細胞壁物質が、サイトカイン産生の為にさらされなければならないのなら、カプセルはサイトカイン産生の直接の誘導を防ぐ。刺激のメカニズムにかかわらず、前炎症性サイトカインの産生の欠如は保護と関連がある。TNFαはC・ネオフォルマンスに対する保護免疫反応になくてはならない。したがって、C・ネオフォルマンスのカプセルのあるものを分離したものの感染におけるTNFαの産生の欠如や減少は保護免疫の誘導を妨げ、病気が進行するという結果になる。カプセルのあるクリプトコッカス細胞は同じ種類の異なるタイプの白血球には影響しない。カプセルのあるものを分離したものはマクロファージを刺激して前炎症性サイトカインを産生しないけれども、好中球を刺激して、弱いカプセルを持つものやカプセルのない生物より効果的に、前炎症性サイトカインと化学因子であるIL-8を産生する。前炎症性サイトカインを産生する為にカプセルのないクリプトコッカスによるマクロファージの刺激を伴うように、血清は、カプセルのある生物が好中球がサイトカインを産生するように誘導するのに必要とされる。カプセルのあるC・ネオフォルマンスへの反応における好中球によるサイトカイン産生の場合、オプソニン化の過程は好中球を誘導してサイトカインを生産するようにするsupernatantの中に因子を放出する。(?)
クリプトコッカスの産物
ばら撒かれたクリプトコッカスの為に、ある程度の量のクリプトコッカス産物が、患者の体液の中に現れる。
GXMは体液中では主要なクリプトコッカスの構成要素であるけれども、おそらく、生物はgalactoxylomannan(GalXM)とmannoproteins(MP)も発散する(in vivo)。この推測は(in vivo)研究からの間接的な証拠と、生物が成長するときGalXMとMPが培養媒質の中にある(in vitro)という事実に基づいている。血清や髄液の中のクリプトコッカス抗原はクリプトコッカス症の診断に役立つ。さらに、もしばら撒かれたクリプトコッカスの患者が治療にはじめに高いクリプトコッカス抗原(titers?)を持つなら、彼らはクリプトコッカス抗原titersの低い患者よりも、治療に好反応を示さないか、治療が終わる前におそらく死ぬだろう。体液中のクリプトコッカス抗原量と病気の厳しい体験との直接的な関係は、宿主の循環系や髄液中のクリプトコッカス抗原が宿主の防御に不都合な効果を持つことを示している。
白血球の遊走における影響
最近、マウスモデルで、血管内のクリプトコッカスの抗原が、血流から炎症性部位への白血球の遊走を抑制するということが、証明された。
免疫調節性細胞の誘導
実験性動物の血流に注入されるクリプトコッカスの抗原は、抗クリプトコッカスの細胞性免疫反応と同様に体液性免疫反応を鈍らせる、調節性T細胞を誘発する。
メラニン合成
C. neoformans
の病原の分離体を、非病原性の分離体や他のクリプトコッカス種から区別する一つの特徴は、ジフェノール系合成物を含む媒介物(粒餌や、コーヒー酸アガー)にこげ茶の色素を形成する能力である。この色素は、フェノロキシダーゼ活性を持つC.neoformans 分離体が作ったメラニン様合成物である。また、C.
Neoformansに自然に起こるメラニンを欠いた突然変異は、メラニン合成株より毒性が少ない。
生化学的な仮定によると、
C. neoformansのメラニン合成は、3.4−ジフェノロキシフェニルアラニン(DOPA)などのジヒドロキシフェノールをドーパクイノンに転換することによって行われるという。この転換は、フェノロキシダーゼによって触媒作用を及ぼされる。また、C.neoformansは、ジヒドロキシフェノールの内栄養性の生産物のために必要とされる、あるチロシナーゼ酵素を欠いている。そのため、メラニンを生成するには、C.neoformans分離体は、自分の成長環境から、ジフェノール系の内容物 を取り入れることができ、これらの内容物をメラニン中間生成物に転換するのを触媒するフェノロキシダーゼ酵素も持っていなければならない。脳は、DOPAなどのカテコールアミンに富んだ組織であり、C.neoformansによる感染の格好のターゲットである。
C. neoformans
による 期待されるメラニン合成経路C.neoformans
のフェノロキシダーゼ活性を欠いた突然変異体は、試験管内でのエピネフリン酸化系から受けるダメージにとても敏感であり、一方、メラニン生成分離体はエピネフリン酸化系に抵抗を持っている。また、メラニンはC.neoformansをハイポクロライトと過マンガン酸塩のダメージから防ぐが、過酸化水素からは防がない。L-DOPAと共にイーストセルをメラニン化するためにC.neoformans細胞を培養すると、メラニン化されたクリプトコッカスは、同じ株のメラニン化されてないものよりずっと、窒素と強酸化性物質由来の酸素の両方からダメージを受けるのを免れていた。これらの結果は、C.neoformansが脳においてカテコールアミンをメラニン生成のために使い、フリーラジカルを掃除することによって自らを酸化による害から防いでいるという仮定を支持している。
最近、クリプロコッカスのジフェノロキシダーゼは精製され、、この酵素をエンコードする CNLAC1遺伝子は複製された。この転写の活動性はグルコースの欠如によって活性化され、そしてそれは’メラニン構成のためには低いレベルのグルコースが必要だ’という以前発表された報告を確認するものである。 CNLAC1を補足することが、ネズミのなかでC.neoformansのメラニン欠損突然変異株の毒性を増大させたのに対して、CNLAC1崩壊はC. neoformansの毒性の損失に終った。これらの結果はCNLAC1によってエンコードされたラッカーゼ(フェノロキシダーゼ)がC. neoformansの潜在的な毒性要因であることを示唆する。
反酸化体の役を努めるほかに、メラニンの製造はC. neoformansが他の方法で宿主の中で生き残るのを助ける。メラニン化されたイーストセルは、メラニン化されてないイーストセルよりamphotericin Bを感じにくく、これは免疫寛容された宿主では、効果的に感染を処理することが不可能となる。また、細胞壁へのメラニンの堆積は特異的な抗体によって白血球の食作用を促進するのを妨げる。メラニン化された熱殺菌された、C.neoformans株145イースト細胞は、メラニン化されてない熱殺菌された145株細胞より、肺胞大食細胞によるTNFα生産物を少なくし、抗原特異的T細胞の増殖を抑えた。著者は、メラニンがC.neoformansを覆って、宿主エフェクター細胞が認識するのを防ぎ、防御的なT細胞が介在する免疫反応の誘導を妨げていると提案している.
このように、メラニンの生成が、C.neoformansの毒性に重要であるにも係わらず、生体内でメラニンの存在を表す証拠はほんのわずかしかない。
参考文献 What Makes Cryptococcus neoformans a Pathogen (英論文)