クリプトコッカスネオフォルマンスの診断と治療
治療
アンホテリシンBと5-fluorocytosine (5FC) の併用.
重症例,水頭症の合併例などでは髄腔内投与あるいは脳室内投与も考慮.
5-FCが副作用で使用できない場合,アンホテリシンBを単独で用いる.L 5-FCは髄液移行はよいが,単独使用では耐性菌を作りやすい.
この他に,ミコナゾール,フルコナゾールも用いられる.
ミコナゾールの髄液移行は悪いので,髄腔内投与あるいは脳室内投与を行う.
アンホテリシンBとミコナゾールの併用はしない.(両者に拮抗作用あり) (ref. Lancet 318, 1976)
アンホテリシンB
初回 1mg/日,以後,3, 5, 10 mgと漸増し,維持量 30-50 mg/日,総投与量 2-3 g.
副作用
投与直後に表れるものとして,過敏反応,発熱,食欲不振,嘔吐,頭痛,静脈炎など
経過中にみられるものとして,腎機能障害,貧血,骨髄抑制,低K血症
5-FC
日を分4,経口投与,腎機能低下のあるときは減量する.
診断
髄液圧上昇
リンパ球優位の細胞増多
タンパク増加
糖低下
菌体の証明(墨汁染色,ミリポアフィルターアルシアンブルー染色)* 髄液中にクリプトコッカス抗原の証明(可溶性莢膜多糖類抗原が多量に遊離される)