マラリアの薬剤耐性
古くからキニーネに対して薬剤耐性が知られていた。その後出現した各種合成剤についても、その広範な使用による耐性株の出現が近年大きな問題になってきた。クロロキンの熱帯熱マラリア原虫に対する耐性獲得がもっとも注目されている。抗マラリア剤の開発の結果、合成されたのがメフロキンである。他の薬剤との交差耐性も証明されるにいたった。ほかの抗マラリア剤としてプログアニール、アモダイアキンが再検討されるようになり、キニーネの再登場で、有効なサルファ剤の開発も行われるようになった。また、塩酸メフロキンが赤内型繁殖体剤としてある。1979年に中国からよもぎの一種の青菁(アルテミシア・アンヌア)という植物が抗マラリア剤として効果があると報告されている。現在、多剤耐性を示すマラリア原虫に対する抗マラリア剤の開発が急がれている。