マラリアの予防

 

1.防蚊対策何と言ってもマラリアは蚊が媒体なので蚊にさえ刺されなければ、感染しない 単純で最も効果的な対策と言える。

・日没から夜明けまでの外出制限

ハマダラカが活動するのは暗い時間帯。ハマダラカの種類により多少の違いがある。

・蚊が侵入しない宿泊施設

エアコン付きで密閉可能,そうでなければドアや窓にカーテン付きが良い。

・長袖,長ズボンの着用

なかでも明るい色のものが良いとされる。

・虫除けスプレー

N,N-diethyl-m-toluamide (DEET)30%程度に含むもの。汗で流れ落ちる時には3-4時間毎に。顔面に

は避ける.小児での使用は注意。

・電気式蚊取り器,蚊取線香

ピレスロイド系薬剤を含むもの。国産のものは質が良い。

・蚊帳

穴が開いてないものを、隙間のないように用いる。ピレスロイド系薬剤を染み込ませたものがより良い。

2.予防薬の服用

旅行期間別の予防内服の必要性は、マラリア汚染地域を2週間以上旅行する場合にのみ必要。つまりおおまかに言って1週間程度の旅行者は蚊に刺されない工夫をすれば、免疫不全 不全などの人以外は必要ないと言え、そのような特別病気のある方は、行 かれないことを勧めます。

 *病気の発症に約1〜2週間ほどかかるので、旅行期間中に日本に帰ってきている可能性が大きく発病後治療して間にあう。薬は経由地や現地の薬局で手に入るが、マラリアは4種類ありそれぞれに内服量や回数が異なり複雑、また治療の量と混同しやすく多量に内服する可能性があるので薬の副作用が出やすくなります。予防内服で病気にかかることは予防できず、発病したときに治療を行うために内服するので、帰国後も4〜6週間内服を続けなければ予防内服の意味はなく、長期の内服となります。

3.マラリアワクチン

 スポロゾイト、メロゾイト、シゾント、或いはガメトサイトを標的にしたマラリアワクチンが各国で研究させれているが、いずれも有効性はin vitroに止まっている。近年最も期待されたパトレーヨ(コロンビア)らの開発したワクチンのタイでの臨床試験では、「有効性なし」との結論が出された。しかし、ワクチン予防はマラリア撲滅を可能にする唯一の手段であり、ワクチン開発への期待は大きい。