その他(腎炎、脾腫)
:四日熱マラリアは慢性化することが多く,約50%の患者に腎疾患を合併するとの報告がある.この場合,腎糸球体の基底膜やメザンジウムに免疫複合体が沈着し,膜性増殖性糸球体腎炎をもたらす.また,熱帯熱マラリアにおいても,メザンジウムに免疫複合体が沈着し,糸球体腎炎を合併することがある.慢性マラリアの特徴的病理所見は著しい脾腫で,脾臓は3〜15倍の大きさとなり,繊維性組織や細網内皮細胞の増殖およびマラリア色素顆粒を含んだ食細胞の増殖がみられる.肝臓も同様な変化を生ずるが,脾臓ほどではない.