<一般的性状>
a)形態
クラミジアは、その特異な増殖環と密接に関連して、2種の形態、構造を示す。
第1は、細胞外で生存し、新しい宿主細胞に感染する直径0.3μm前後の球形の小型の菌体で、基本小体elementary body(EB)と呼ばれる。
EB
はDNAが偏在性に凝縮し、リボソームが細胞質には充満している。第
2は、細胞内で2分裂より増殖する大型の菌体で、網様体reticulate body(RB)とよばれ、多形性で直径0.5~2μm、DNAとリボソームは均質に存在する。また網様体から基本小体へ成熟・転換する過程の中間体(小型化し、中央部に
DNAの濃縮が始まる)も存在する。EB
の細胞壁は強固であり、RBの細胞壁は脆く弱い。b)クラミジア細胞の外被構造
EB,RB
ともにグラム陰性菌と同様の外被、細胞質膜と細胞壁をもっている。クラミジアの外膜は、典型的なグラム陰性桿菌と同じように、主要外膜タンパク(MOMP、分子量約40,000)が存在する。しかしクラミジアの細胞壁の大きな特徴は、ペプチドグリカン層の欠如である