看護学校国家試験問題集

. 次のうち誤っているものが2つある。どれか。

  .クレゾール石けん液は光によって消毒力が低下するので着色びんを使う。

  .逆性石けん液は有機物を含むものの消毒には不適当である。

  .消毒液は濃度が高いほど消毒力が増し、3倍の濃度では3倍の効果がある。

  .クロルヘキシジン(ヒビテン液)は結核菌の消毒に有効である。

  . B 型肝炎ウイルスにより汚染された器材は高圧蒸気滅菌30分を行うとよい。

 

. 次のうち誤っているのはどれか。

   .一般に消毒薬は温度を10℃高めれば殺菌力は2〜3倍高められる。

   .クロルヘキシジン(ヒビテン液)は石けんと混合使用すると効菌力は低下する。

   .クレゾール石けん液は常水で希釈すると次第に混濁し、沈澱を生ずるが効力には変わりはない。

   .緑膿菌は病室の花瓶の水にも認められ汚染源となり得る。

   .酸化エチレンガス滅菌後は残留ガスがあるので、少なくとも48時間以上たってから使用するよう注意する。

 

. 次のうち誤っているのはどれか。

   .多くの病原菌(栄養型)は100℃、15分間の煮沸で消毒できる。

   .オートクレーブ滅菌約2気圧、120℃20分間では芽胞も死滅する。

   .エチルアルコールを皮膚消毒に用いる場合は、70〜80%の濃度が適当である。

   .逆性石けんは、緑膿菌に汚染された器具の消毒に用いられる。

   .2%グルタールアルデヒド液(ステリハイド)はB 型肝炎ウイルスの消毒に用いられる。

 

. 次の消毒法のなかで誤っているのはどれか。

  .緑膿菌で汚染されたガーゼや包帯などは、他のものと区別し焼却処分する。

  .結核菌で汚染された吸引カテーテルは、0.1%逆性石けん液で消毒する。

  .B 型肝炎ウイルスで汚染されたピンセットは、2%グルタールアルデヒド液で消毒する。

  .梅毒トレポネーマで汚染された剪刀(メス)は0.5%クロルヘキシジンアルコールで消毒する。

  .サルモネラ菌で汚染された便器は、3%クレゾール液で消毒する。

 


. 消毒について正しいのはどれか。

        a   緑膿菌の付着したピンセットの消毒には、逆性石けんが有効である。

        b   エタノールは100%の濃度が最も殺菌力が強い。

        c   100℃、15分間煮沸すれば栄養型病原菌は死滅する。

        d   プラスチック、ゴム製品の消毒には、高圧蒸気滅菌法は避ける。

        e   直射日光の殺菌力は赤外線によるものである。

 

         1. a, b  2. a, e  3. b, c  4. c, d   5. d, e

 

. 滅菌及び消毒について正しいのはどれか。

   . 10〜20キロサイクルの振動数の音波は機械的破壊力で菌体を破壊する。

   . 熱に対しては放線菌やカビの胞子より一般細菌のほうが強い。

   . 細菌は高浸透圧溶液中では発育が抑制されない。

   . 微生物の紫外線による殺菌効果は可視光線によって増強される。

 

. 正しいのはどれか。

   a 逆性石けんは結核菌に有効で糞尿、喀痰、吐物の消毒に用いられる。

   b エチルアルコールは30〜50%濃度が最も殺菌力が強く皮膚消毒に用いられる。

   c 2%グルタールアルデヒド液は B 型肝炎ウイルスで汚染された手術器具の消毒に用いられる。

   d  エチレンオキサイドガスは内視鏡、注射器、ゴム製品などの滅菌に用いられる。

         1. a,b         2. a, d        3. b, c        4. c, d

 

. 手指消毒に適さない消毒薬はどれか。

        . 逆性石けん

        .  グルタルアルデヒド

        . クロルヘキシジン

        . ポビドン・ヨード 

 

. 誤っているのはどれか。

 . B型肝炎患者の血液で手指が汚染された場合、逆性石鹸液で消毒する。

 .  コレラ菌で汚染された便器の消毒は1%クレゾール液に10分間つける。

 . ホルムアルデヒドガスは感染症で汚染された部屋の消毒に用いられる。

 . エチレンオキサイオドガスは芽胞形成菌も含めすべての細菌の滅菌に有効である。
10. 誤っているのはどれか。

 1. エチレンオキサイドガスは胃カメラ、プラスチック製品、布等の消毒に適する。

  .  B 型肝炎ウイルスで汚染されたピンセットは2%グルタルアルデヒドに浸した後、高圧滅菌する。

  . 細菌の芽胞は、100℃、15分間の煮沸消毒で死滅する。

  . 緑膿菌で汚染されたガーゼや包帯などは他のものと区別し焼却処分する。

 

11. 正しいのはどれか。

        . 高圧蒸気滅菌はプラスチック製品の滅菌に適している。

        .  煮沸消毒では B 型肝炎ウイルスは死滅しない。

        . クロルヘキシンジンはウイルスに効果がない。

        . 普通石鹸と逆性石鹸とを共有すると消毒力が増大する。

 

12. 食中毒を起こしやすい病原体はどれか。

        a       ボツリヌス菌

        b       サイトメガロウイルス

        c       マイコプラズマ

        d       サルモネラ菌

             1. a, b       2. a, d       3. b, c       4. c, d

 

13. 緑膿菌による院内感染が増加している。その原因として正しいのはどれか。

  a 緑膿菌は、多くの抗生物質に耐性を持っている。

  b 副腎皮質ホルモン、免疫抑制剤を使用する機会が増加している。

  c 蘇生器、ベンチレーター、ネブレイザー、カテーテルなど医療器具を連用する機会が増えている。

  d 緑膿菌は低栄養環境でも増殖する能力を持っているので病室の花びんの水の中や水道水などにも存在している。

       

  1. a, c, d のみ   2. a, b のみ   3. b, c のみ   4. d のみ    5. Adのすべて

 


14. 緑膿菌について誤っているのはどれか。

        a       グラム陽性球菌で芽胞をもち運動性が弱い。

        b       水に溶ける緑色のピオシアニン色素をつくる。

        c       消毒薬や化学療法剤に対して抵抗性が強い。

        d       治療用器具や医療従事者の手を介して院内感染を引き起こす。

        e       検出には嫌気性培養が必要である。

            1. a, b     2. a, e     3. b, c     4. c, d      5. d, e

 

15. 破傷風について誤っているのはどれか。

        . 土壌中の破傷風菌が外傷部から侵入する。

        . 外毒素は脊髄神経の興奮性を抑制する。

        . 受傷から全身痙攣までの時間が短いと重症である。

        . 早期に抗破傷風ヒト免疫グロブリンが使用される。    

        . 呼吸筋硬直が起きるので気道確保の準備をする。

 

16.次の文章の中で誤っているのはどれか。

. ブドウ球菌について

        a. グラム陽性の球菌で鞭毛、芽胞をもたない。

        b. 抗生剤投与後、薬剤耐性ブドウ球菌が腸管内で増殖し腸炎を起こす。

. ジフテリア菌について

        a. グラム陽性の桿菌で鞭毛、芽胞をもたない。

        b. 菌の産生する外毒素がジフテリアの原因であり、したがって抗毒素による血清療法が有効である。

. ボツリヌス菌について

        a. グラム陽性の桿菌で鞭毛をもたず芽胞を作る。

        b. 食品中で菌が増殖し、産生した毒素を摂取して発病する毒素型の食中毒を引き起こす。

. 緑膿菌について

        a. グラム陰性の桿菌で鞭毛をもち活発に運動する。

        b. 消毒薬や抗生剤に抵抗性を示し、院内感染や菌交代症を引き起こす。

. 破傷風菌について

        a.  グラム陽性の桿菌で鞭毛をもち、芽胞は太鼓のバチ型をしている。

        b.  創傷から体内に侵入し咀しゃく筋の硬直を来し、次第に項部、背部、下半身の骨格筋の痙攣を引き起こす。

. 腸球菌について

        a. グラム陽性菌で腸内常在菌である。

        b. 近年、家畜飼料中に加えられた多数の抗生物質によって、多剤耐性腸球菌が出現し、社会的問題となっている。

. 肺炎レンサ球菌について

        a. グラム陽性菌で急性化膿性起炎菌として重要である。

        b. 従来は、耐性菌がないとされていたが、急速に耐性化が進んで注目されている。

 

17. 大腸菌について誤っているのはどれか。

        . ヒトの腸管内の常在細菌である。

        . 膀胱炎、腎盂腎炎、胆嚢炎等の原因となる。

        . グラム陽性球菌で芽胞を作る。

        . 通性嫌気性で寒天培地に良く発育する。

 

18. 皮膚の損傷によって感染が起こり得る疾患として誤っているのはどれか。

        . ガス壊疽

        . 破傷風

        . リケッチア症

        . B型肝炎

        . 急性灰白髄炎(ポリオ)

 

19. 溶血性レンサ球菌の感染について誤っているのはどれか。

        . 扁桃以外からも菌が侵入し発症することがある。

        . 急性糸球体腎炎を合併することがある。

        . 若年性関節リウマチを合併することがある。

        . 皮疹が出ることがある。

 

20. ヒト以外の動物に病原体が保有され、ヒトへの伝染源となる伝染病はどれか。

        a       コレラ

        b       急性灰白髄炎(ポリオ)

        c       腸チフス

        d       日本脳炎

        e       ツツガムシ病

             1. a, b     2. a, e     3. b, c     4. c, d    5. d, e


21. 誤っているのはどれか。

        . ワクチンは病原体に対する個体の自動免疫を成立させる。

        . 免疫血清注射は速効性があり治療に用いられる。

        . T 細胞は抗体を産生し体液性免疫をつかさどる。

        . 免疫グロブリン GIgG は母親から胎児に移行する。

 

22. リンパ球について正しいのはどれか。      

        . B 細胞は胸線由来である。

        . 形質細胞はB 細胞から分化する。

        . T 細胞は骨髄芽細胞から分化する。

        . T 細胞は免疫グロブリンを産生する。

 

23. 細菌感染の診断法でないのはどれか。

                a. ウィダール反応

                b. ツベルクリン反応

                c. ワイル・フェリックス反応

                d. ポール・バンネル反応

            1. a, b     2. a, d      3. b, c      4. c, d

 

24. 次のうち正しいものが2つある。どれか。

        . 結核菌はグラム陽性の桿菌で鞭毛を有し活発に運動する。

        . 結核菌は発育速度が速く、普通寒天培地で培養できる。

        . 培養結核菌は60℃で20〜30分間の加熱、70℃で5分間の加熱、

             100℃で1〜2分にも耐える。

        . 緑膿菌はグラム陰性菌の桿菌で鞭毛はなく運動性がない。

        . 緑膿菌55℃1時間の加熱で死滅し、石炭酸、逆性石けんなどには抵抗性が強い。

 

25. 誤っているのはどれか。

        . 腸チフス菌は血中に入って増殖し菌血症を起こす。

        . サルモネラ菌は食品中で毒素を産生する毒素型食中毒菌である。

        . カンピロバクターは家畜の糞便からヒトに感染し腸炎を起こす。

        . 大腸菌には毒素を産生して病原性となるものがある。


26. 正しいのはどれか。

        . 最近、院内で分離される黄色ブドウ球菌には多剤耐性菌が増加している。

        . 健康な成人が急性肺炎に罹患した場合、起炎菌としてグラム陰性桿菌を考える。

        . マイコプラズマ肺炎はウイルスによって起こり抗生剤の効果はみられない。

        . オウム病は鳥類に広く分布するウイルスがヒトに感染して起こる肺炎である。

 

27. MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)について誤っているのはどれか。

        . メチシリン感受性黄色ブドウ球菌より病原性が強い。

        . 健康な人の鼻腔からも検出される。

        . 健康な人では MRSA 感染症の発病は少ない。

        . 抗生剤の連用で出現しやすい。

 

28. 次のうち誤っているものはどれか。

    1. ほとんどの細菌は人工培地で増殖可能で、2分裂増殖を行う。

    2. リケッチアは保有節足動物(媒介動物)の刺傷、排泄物から感染する。

    3. マイコプラズマは細胞壁を持たないので人工培地上特徴的なコロニーを作る。

    4. 真菌は核膜やミトコンドリアを持たない原核細胞である。

    5. クラミジアは細胞内寄生性細菌で特異的な生活環をもち宿主細胞に感染し細胞内に封入体を作り、  2分裂増殖をする。

 

29. ブドウ球菌について誤っているのはどれか。

  1. 広く自然界に存在し、定着し易い人の皮膚や鼻粘膜に常在している。

  2. その一つが表皮ブドウ球菌であって、疾病の原因菌とはならない。

  3. 黄色ブドウ球菌も常在菌であるが、多種類の毒素を産生し、そのうちの腸管毒(エンテロトキシン)は、食中毒の原因となり、通常の調理に使う100℃、30分の加熱では破壊され難い。

  4. 抗生物質の普及と乱用によって多剤耐性ブドウ球菌(MRSA)が増加している。

  5. 表皮ブドウ球菌も黄色ブドウ球菌も、免疫不全や抵抗力の低下した人では敗血症の原因となる。

 


30. 次のうち正しいのはどれか。

 1. サルモネラ菌による食中毒は感染型食中毒の代表的なものの一つである。汚染されたものを経口摂取すると、体内で細菌が増殖して食中毒を起こす。サルモネラ菌の感染した生卵による食中毒患者が増加し注目されている。

 2. 腸炎ビブリオによる食中毒は汚染生鮮魚貝類の経口摂取によって起こり、下痢、腹痛、発熱などの症状をおこし、時に死亡することもある。

 3. 黄色ブドウ球菌のは100℃、30分間の加熱でも破壊されない耐熱性毒素(エンテロトキシン)を産生し、毒素型食中毒を起こす。

 4. 大腸菌には病原性をもつものが何種類か報告されており、主として春から秋にかけて多発する食中毒の原因となる。

 5. ボツリヌス菌は芽胞を持つ嫌気性菌であり、増殖して毒素を産生する。

  ボツリヌス食中毒は、重篤で死亡率の高い典型的な毒素型食中毒である。

 6. キャンピロバクターによる食中毒は、主として汚染された家畜類の肉等の経口摂取によりおこり、多くは集団発生としても報告されている。

  7. 病原性大腸菌 O157 による食中毒の主な原因は、Verotoxin でこれによって2つの 病型、出血性大腸炎と溶血性尿毒症症侯群(HUS)がおこり、年少者や高齢者では死亡者が出ることがある。

 

     a) 1, 3, 4のみ    b)1, 5, 7のみ    c)2, 5,7 のみ    d)3, 6, 7のみ   e)17全て正しい

 

31. 次の検査材料のうち、採取後冷蔵庫で保存してはいけないものはどれか。

        1.  結核菌培養のための喀痰

        2.  サルモネラ菌培養のための下痢便

        3.  細菌培養のための尿

        4.  インフルエンザウイルス分離のためのうがい水

        5.  髄膜炎菌培養のための髄液

 

32. ウイルスについて正しいのはどれか。

        a    EB ウイルスは伝染性単核球症の病原体である。

        b    サイトメガロウイルス感染の多くは不顕性感染である。

        c     A 型肝炎ウイルスは慢性肝炎を起こしやすい。

        d     成人 T 細胞白血球ウイルス感染者の多くが白血病を発症する。

 

            1. a, b         2. a, d         3. b, c         4. c, d


33. 呼吸器感染症の原因で最も多いのはどれか。

         1. ヘルペスウイルス

         2. アデノウイルス

         3. ポリオウイルス

         4. エンテロウイルス

 

34. ウイルスの主な感染経路について正しいのはどれか。

        a  麻疹ウイルスは鼻咽喉分泌物の飛沫感染による。

        b  急性灰白髄炎(ポリオ)ウイルスはふん便を介する経口感染による。

        c  伝染性軟疣(属)腫ウイルスは直接又は、間接的な接触感染による。

        d  日本脳炎ウイルスは昆虫の媒介による。

 

  1. a, c, d のみ      2. a, b のみ      3. b, c のみ      4. d のみ      5. adのすべて

 

 

35. 次の検査結果の組み合わせで、B 型肝炎の感染源として最も危険度の高いのはどれか。

 

 

HBs抗原

HBs 抗体

HBc 抗体

HBe 抗原

HBe 抗体

 

 

36. ウイルス感染症として誤っているのはどれか。

                a. 水痘

                b. マラリア

                c. ニューモシスチス・カリニ肺炎

                d. 伝染性単核症

                e. 後天性免疫不全症候群(AIDS

 

        1. a, b        2. a, e        3. b, c        4. c, d         5. d, e

 


37. 後天性免疫不全症候群(AIDS)について正しいのはどれか。

        a  ウイルスによる感染症である。

        b  異性間の性行為では感染は起こらない。

        c  水平感染だけでなく垂直感染もある。

        d  免疫能が低下しているので、日和見感染のために死亡する。

 

        1. a, c, d のみ     2. a, b のみ     3. b, c のみ     4. d のみ     5. adのすべて

 

38. 正しいのはどれか。

        . HBe 抗原が検出される場合、感染性は弱い。

        . HBs 抗体が検出される場合、HB ウイルス感染状態にあることを示す。

        . HB ウイルス感染の機会が多い場合、予防のためにワクチン接種が行われる。

        . HBs 抗体が3ヶ月以上持続して検出される場合、HB キャリアと呼ばれる。

 

39. ウイルス感染症について誤っているのはどれか。

        . 水痘と風疹とは同じウイルスによって起こる。

        . インターフェロンは C 型肝炎の治療に用いられる。

        . ロタウイルスは乳幼児の水様性下痢の原因となる。

        . エイズウイルスは宿主のT 細胞を破壊し抵抗力を低下させる。

 

40. HIV (ヒト免疫不全ウイルス)感染者の指導で適切でないのはどれか。

        . 妊娠に関して医師の指導を受けるように進める。

        . 食器は共用しないよう指導する。

        . 性的接触の相手には速やかに相談・検査を勧める。

        . 医療機関への定期的な受診を勧める。

 

41. 次のうち正しいのはどれか。

        . 乳児の口腔内にできる鵞口瘡の病原菌はクリプトコッカスである。

        . 黄色ブドウ球菌は口腔内や咽頭に常在し、体外毒素によって猩紅熱を起こす。

        . 喀痰中の結核菌は直射日光に2時間さらすことにより死滅する。

        . 単純疱疹ウイルスはI 型、II 型とも不顕性感染が多い。

        . ワクチン接種によって得られる免疫を受動免疫といい、速効性がある。

 


42. 次のうち誤っているのはどれか。

    a.  HBe 抗体陽性の血液は感染力が強いので注意が必要である。

    b. 多くのウイルスは60℃、30分で容易に死滅するが、肝炎ウイルスのように抵抗性の強いものでは、100℃、15分以上の煮沸やオートクレイブ、次亜塩素酸ソーダ、グルタールアルデヒド、エチレンオキサイドなどで消毒する。

    c.  B型肝炎ウイルスの付着した注射針による刺傷等の事故の場合出来るだけ早く(48時間以内)にHBVに対する高力価グロブリンの接種を行なう。

    d.  A型肝炎ウイルスは経口感染であり、C型肝炎ウイルスはB型肝炎ウイルスと同様に輸血、性交に   よって感染し、また母子感染もある。

    e.  A型肝炎は慢性肝炎、肝硬変に進展することが多い。

 

     1. a, b            2. c, d            3. b, c            4. a, e           5. d, e

 

43. 次のうち誤っているのはどれか。

      a. B型肝炎ウイルス感染は出生時に、母親から垂直感染として新生児に感染し、終生持続感染となるが、輸血、汚染された注射による水平感染もある。

      b. HBs 抗原陰性血液で輸血を行っていたにもかかわらず、輸血後肝炎が依然として発生し、その 90% 以上が C 型肝炎ウイルスが原因であった。

      c. 2% グルタールアルデヒド液(ステリハイド)または 0.5% 次亜塩素酸ナトリウムはB型肝炎ウイルスの消毒に用いられる。

      d. HBe 抗原陽性の母親から生まれた児は、垂直感染予防の目的で、B型肝炎ウイルスに対して高力価のグロブリンの注射をし、その後ワクチン接種をする。

   

         1. a    2. b    3. c    4. d    5. すべて正しい

 


44. AIDSについて正しいのはどれか。

a. AIDSの死因の多くは感染症、たとえば、Pneumocystis carinii による肺炎、カンジダなどの真菌症、結核、非定型抗酸菌症、トキソプラズマ症、ヘルペスウイルス症、サイトメガロウイルス感染症などの日和見感染症である。   

b. 感染後2〜6か月以内に抗体ができるが、発症するのは数年〜十数年の潜伏期を経た後である。                                     

c. HIV は主として宿主のCD4陽性細胞(主にヘルパーT細胞)との親和力が強く、それらの細胞に感染しその細胞の機能を低下させたり、破壊したりし、免疫不全を引き起こす。

d. 治療薬として現在使用されている主な薬剤は逆転写酵素阻害剤(AZT, DDC, DDI等)、 プロテアーゼ 阻害剤などであり、多剤併用が推奨されている有効なワクチンは開発中である。

 

    1. a,bのみ  2. a,cのみ  3. b,dのみ  4. a-dのすべて  

 

45. ウイルスについて誤っているのはどれか。

     a. インターフエロン(IFN)はウイルスに感染した細胞が産生するタンパク質で、周囲の細胞に働いてその細胞内でのウイルス増殖の抑制に役立っている。

     b. 核酸はタンパク質でできた殻(カプシド)につつまれて保護されている。

     c. リケッチアやクラミジアと同様に2分裂増殖を行なう。

     d. 人工培地では増殖せず、生きている細胞の中だけで増殖する偏性細胞内寄生性である。

     e. 遺伝物質としてRNAまたはDNAのいずれか一種類の核酸からなり、一重鎖のものや二重鎖のものがあり、各々のウイルスの複製は各々に独特である。

 

46. 下記の文章を注意深く読みウイルスについて誤っているのはどれか。

     a. 水痘ー帯状疱疹ウイルスは小児期において水疱を生じさせ、その後、脊髄後根の知覚神経節に潜伏し回帰感染として成人に単純ヘルペス症を発症させるウイルスである。

      b. エンベロープ(外被)をもつウイルスともたないウイルスがあるが、外被には抗原性の高い糖蛋白があり、ワクチンを作るうえで重要である。

     c. ウイルス性疾患は不顕性感染が多く、一般的には抗生物質は無効であるが、一部のウイルス(例えばヘルペス感染症など)に対して有効なものが開発され、  使用されている。

     d. 風疹ウイルス感染症は俗に「三日はしか」と呼ばれ、妊娠初期3ヶ月以内に感染すると新生児に先天性風疹症候群を引き起こす例が多い。

 


47. ウイルスについて誤っているのはどれか。

   1. 大きさは極めて小さく、大部分は光学顕微鏡では見えず、細菌濾過管(膜)を通過する。

   2. アデノウイルス及びエコーウイルスは人工培地で増殖する。

   3. 多くのウイルスは60℃、30分間で容易に死滅するが、B 型肝炎ウイルスのように抵抗性の強いものもある。

  4. 水痘、手足口病および T 細胞リンパ性白血病などはウイルス性疾患である。

  5. ウイルス性疾患は不顕性感染が多く、一般に抗生物質は無効である。

 

48. 次のうち誤っているのはどれか。

  a.  B 型肝炎ウイルスに感染すると通常は1〜2ヶ月後にHBs抗原が陽性になる。

  b.  B 型肝炎ウイルスは熱に対して強く15〜20分間の高圧滅菌を行なうとよい。

  c.  B 型肝炎の予防には B 型肝炎ワクチンの接種を行なう。

  d.  HBe 抗原陽性の母親から生まれた児は1か月健康診査で HBs 抗原を調べればよい。

 

        1. a, b       2. a, d       3.b,c       4. c,d       5. すべて正しい

 

49. 原因菌と疾患との組み合わせで正しいのはどれか。

        1. ブドウ球菌                    食中毒

        2. カンピロバクター              猩紅熱

        3. 緑膿菌                        伝染性膿痂疹

        4. 連鎖球菌                      手足口病

 

50. 下記の疾患とその病原体との組み合わせで正しいのはどれか。

        a   伝染性単核症                    リケッチア

        b   フィラリア症                    原虫

        c   トキソプラスマ症                ウイルス

        d   ヒストプラスマ症               真菌

       e  ワイル病                        スピロヘータ

                 

                1. a, b      2. a, e      3. b, c      4. c, d      5. d, e

 


51. 次の組み合わせで誤っているのはどれか。

   1. クラミジア               細胞内封入体             セキセイインコ

   2. エンテロバクター         日和見病原体             尿路感染

   3. 破傷風菌                 好気性菌                 脊髄後角

   4. 結核菌                   マクロファージ内増殖      乾酪壊死巣

   5. ボツリヌス菌             芽胞形成                  土壌

 

52. 次の組み合わせで誤っているのはどれか。

   . 回虫                    幼虫卵(経口)             小腸

   . 日本住血吸虫            セルカリア(経皮)         門脈

   .  マラリア                ハマダラカ(刺咬)         白血球

   . 赤痢アメーバ             嚢子(経口)              大腸、肝

   .  アニサキス               海産物(経口)            胃壁、腸壁

 

53. 次の組み合わせで適切でないのはどれか。

    a  リケッチア・ツツガムシ     アカムシ            全身紅斑       

    b  クラミディア               インコの糞            気管支肺炎

    c  風疹ウイルス               妊婦                 奇形児

    d  A 型肝炎ウイルス          糞便                 黄疸

    e  破傷風菌                   飛沫                舌根沈下

 

       1. a, b        2. a, e        3. b, c        4. c, d         5. d, e

 

54. 次の組み合わせで正しいものが3つある。その番号に○印をつけよ。

   . 輸血後肝炎               非AB型肝炎ウイルス

   . 結核性肉芽腫             抗酸性桿菌

   . ハンセン病(らい)       レプトスピラ

   . 急性糸球体腎炎           グラム陰性桿菌

   . アショフ結節             A群β溶血レンサ球菌

 


55. 次の組み合わせで誤っているのはどれか。

    . 黄色ブドウ球菌            腸管毒(エンテロトキシン)       集団食中毒

    . 結核菌                    抗酸性染色                       脊椎カリエス

    .  ウイルス                  指定伝染病                       トラコーマ

    . マイコプラズマ            飛沫感染                         原発性異型肺炎

    .   カンジダ                 菌交代現象                       鷲口瘡

 

56. 次の組み合わせで誤っているのはどれか。

   . ボツリヌス菌              芽胞                    耐熱性

   . HBs 抗原                 B型肝炎                 高力価γーグロブリン

   . 大腸菌                   エンドトキシン           敗血症

   . 化膿性レンサ球菌         エンテロトキシン         リウマチ様関節炎

   . 麻疹ウイルス             飛沫感染                 亜急性硬化性全脳炎

 

57. 次の組み合わせで誤っているのはどれか。

   . 黄色ブドウ球菌            関節液            リウマチ熱

   . マイコプラズマ            喀痰              原発性異型肺炎

   . 腸炎ビブリオ              魚介類            食中毒

   . カンピロバクター          犬の糞            食中毒

   . リケッチア                ダニ              つつが虫病

 

58. 次の疾患、病原体、予防又は治療法の組み合わせで誤っているのはどれか。

. 食中毒              ボツリヌス菌            抗毒素血清

. 帯状疱疹            真菌                    プラスモヒン

. 発疹チフス          リケッチア              クロラムフェニコール

. 麻疹                ウイルス                生ワクチン

. マラリア            原虫                    クロロキン

 


解答

1.         34

2.         3

3.         4

4.         2

5.         4

6.         1

7.         4

8.         2

9.         1

10.      3

11.      3

12.      2

13.      5

14.      2

15.      2

16.      3

17.      3

18.      5

19.      3

20.      5

21.      3

22.      2

23.      4

24.      35

25.      2

26.      1

27.      1

28.      4

29.      2

30.      e

31.      5

32.      1

33.      2

34.      5

35.      4

36.      3

37.      1

38.      3

39.      1

40.      2

41.      4

42.      4

43.      5

44.      4

45.      c

46.      a

47.      2

48.      5

49.      1

50.      2

51.      3

52.      3

53.      2

54.      1,2,5

55.      3

56.      4

57.      1

58.      2

 


P44-2

1. 正しいのはどれか。

a. AB型とO型の親からはA型の子供は生まれない。

b. 新鮮凍結血漿の輸血ではABO式血液型を合わせる必要はない。

c. 血小板輸血ではABO式血液型を合わせる。

d. 骨髄移植ではABO式血液型を合わせる必要はない。

 

 1. a, b  2. a, d  3. b, c  4. c, d

 

p58-1

2. 誤っているのはどれか。

1. DNA2重らせん構造をとっている。

2. 3個のヌクレオシドの組合せによって1個のアミノ酸が決定される。

3. リボソームでポリペプチドが合成される。

4. たんぱく質を鋳型にしてDNA配列が決定される。

 

P681

3. RNAについて誤っているのはどれか。

1. RNAは細胞核内と細胞質の双方にある。

2. メッセンジャーRNAmRNA)の合成は転写と呼ばれる。

3. トランスファーRNAtRNA)は遺伝情報をアミノ酸配列に読み換える。

4. 細胞核内でRNAからポリペプチドが合成される。

 

P724

4. 造血について誤っているのはどれか。

1. 造血幹細胞からすべての血球が産生される。

2. 造血は骨髄の脂肪髄で盛んに行われる。

3. 顆粒球コロニー刺激因子は好中球の産生を促進する。

4. 胎児では肝臓でも造血が行われる。

 


P922

5.正しいのはどれか。

1. リンパ球のT細胞は形質細胞に分化して抗体を産生する。

2. 血液凝固後の線維素溶解はフィブリンによって起こる。

3. 血漿蛋白のアルブミンは免疫抗体である。

4. すべての血液細胞は骨髄中の多能性幹細胞から作られる。

 

P14667

6.ワクチンが有効なウイルス肝炎はどれか。

a. A型肝炎

b. B型肝炎

c. C型肝炎

d. E型肝炎

 

 1. a, b   2. a, d   3. b, c   4. c, d

 

7.移植臓器に対する拒絶反応において主体的な役割をするのはどれか。

1. IgE抗体

2. IgG抗体

3. Bリンパ球

4. Tリンパ球

 

P1489

8.抗生薬耐性菌による感染症で正しいのはどれか。

1. 抗生薬大量投与の適応である。

2. 院内感染に留意する。

3. 面会を禁止して隔離する。

4. 菌の最小発育阻止濃度(MIC)は低い。

 


152-1,2

9.細胞性免疫に関わる細胞はどれか。

a. T細胞

b. B細胞

c. 肥満細胞

d. マクロファージ

 

 1. a, b   2. a, d   3. b, c   4. c, d

 

10.アレルギー反応で補体が関与するのはどれか。

a. アナフィラキシー型反応

b. 細胞障害型反応

c. 免疫複合体型反応

d. 遅延型反応

 

 1. a, b   2. a, d   3. b, c   4. c, d

 

156-6,7

11.ウイルスの一般的特徴について正しいのはどれか。

1. 大きさは1〜10μmである。

2. 増殖には生きた細胞が必要である。

3. アルコール消毒は無効である。

4. 抗生薬によって不活性化される。

 

12.抗生薬耐性細菌について誤っているのはどれか。

1. 薬剤耐性の機序の一つにβラクタマーゼ産生がある。

2. 多剤耐性結核菌の一つに非定型抗酸菌がある。

3. 薬剤感受性検査の一つに最小発育阻止濃度(MIC)測定がある。

4. MRSAの院内感染経路の一つに医療従事者の介在がある。

 


166-7

13.免疫について誤っているのはどれか。

1. T細胞は主に細胞性免疫を担う。

2. B細胞は抗体産生を担う。

3. T細胞は種々のサイトカインを産生する。

4. 抗体のうちIgMは外分泌液中に分泌される。

 

168-9

14.誤っているのはどれか。

1. 伝染性単核球症では全身のリンパ節が腫大する。

2. ホジキン病ではリンパ節にリード・シュテルンベルグ細胞がみられる。

3. 悪性リンパ腫はワルダイエル輪にも発生する。

4. 粟粒結核では肺内リンパ節が粟粒大に腫脹する。

 

172-5

15.日和見感染の原因でないのはどれか。

1. インフルエンザウイルス

2. ニューモシスチス・カリニ

3. カンジダ

4. 緑膿菌

 

174-7

16.正しい組み合わせはどれか。

 1.ヒト免疫不全ウイルス        カポジ肉腫

 2.B型肝炎ウイルス          先天性白内障

 3.麻疹ウイルス            輸血後肝炎

 4.風疹ウイルス            手足口病

 


180-2,3

17.正しいものはどれか。

1. サルコイドーシスの結節には乾酪壊死がみられる。

2. 粟粒結核では結核菌がリンパ行性に全身に散布される。

3. C型肝炎ウイルスは主にとして経口感染を示す。

4. 日和見感染は免疫抑制剤投与中や悪性腫瘍末期患者におこりやすい。

 

18.正しいものはどれか。

1. 気管支喘息では血中のIgEが高値を示す。

2. 細胞障害型アレルギーでは細胞性免疫が大きく関与する。

3. 急性糸球体腎炎ではクームス試験が陽性である。

4. 遅延型アレルギーには補体が関与する。

 

184-7,8,9

19.正しいものはどれか。

1. IgDの分泌型は粘膜より分泌され、感染防御に関与する。

2. IgGは、試験管内では対応する抗原とは特異的に結合しない。

3. II型過敏症の疾患には胎児赤芽球症、自己免疫性要血性貧血等がある。

4. 移植における拒否現象は、宿主対移植片(HVG)反応である。

 

20.正しい組み合わせはどれか。

a. ヒト結核菌は抗酸性桿菌であり、ナイアシンを産生する。

b. ヒト結核菌は、経口感染し、近年、集団感染が減少している。

c. 非定型抗酸菌は結核菌とは別の菌種で、自然界に存在する。

d. ツベルクリン反応は結核菌に対する抗体の有無を調べる皮内反応である。

 

 1. a, b   2. a, c   3. a, d   4. b, c

 

 


21.正しいものはどれか。

1. ロタウイルス、ノーウォークウイルスは、乳幼児に非細菌性下痢症を引き起こし、成人には非病原性のウイルスである。

2. 水痘—帯状疱疹ウイルスは、再感染では運動神経に沿って帯状疱疹を引き起こす。

3. 一類感染症にはコレラ、細菌性赤痢、腸チフスおよびパラチフスが指定されている。

4. 化膿性レンサ球菌感染症の後、リウマチ熱、糸球体腎炎等の自己免疫疾患を引き起こす。

 


正解

1.     4

2.     4

3.     4

4.     2

5.     4

6.     1

7.     4

8.     2

9.     2

10. 3

11. 2

12. 2

13. 4

14. 4

15. 1

16. 1

17 4

18 1

19 3

20 2

21 4