5-2 耐性についての報告
抗結核薬耐性の結核菌の増加が世界的な規模で問題となっている。1998、耐性結核菌のサーベイについてWHOの「抗結核薬耐性サーベイランスに関する結核と肺疾患グローバルプロジェクト」に参加する35カ国において4種の抗結核第一選択薬に対する感受性が調査された。調査によると抗結核薬の投与を受けたことが無い患者でイソニアジド耐性(7.3%)とストレプトマイシン耐性(6.5%)がリファンピシン耐性(1.8%)やエタンブトール耐性(1.0%)に比べ、より一般的に認められ、最初から多剤耐性である頻度は 1.4%であった。1カ月以内の投薬歴の患者での4剤のうちのいずれか1剤に対する耐性の割合は36%、多剤耐性の割合は13%であった。全体における1剤耐性の割合は13%、多剤耐性の割合は 2.2%であった。特に多剤耐性の割合が高い地域は旧ソ連、アジア、ドミニカ共和国、それにアルゼンチンであった。