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Perspectives
Translated by Michihiro Takeshima, Hideya Tanaka, Masatugu Tukamoto/ Saga-medical school
ギランバレー症候群(GBS)―急性脱髄性(脱髄とは軸策または線経路は保たれていて髄鞘が喪失すること)―は、何らかの病気の感染によって引き起こされる可能性がある。C. jejuni による感染は 今までに報告されたものの中で もっとも 頻繁にGBSを引き起こすものだといわれている。日本において、 O:19はGBSと関連のあるC. jejuni 株のなかで 最も一般的な血清型である。アメリカやヨーロッパでGBS関連株のなかで血清型O:19が見出されるかどうかを測定するために、我々はそのような7つ株の血清型調べ アメリカやドイツの患者から得られた GBS関連株7株のうち 2株(29%)の血清型がO:19であることがわかった。また GBS関連株が正常なヒトの血清の殺菌作用に抵抗性をもつかどうかを確認するために、 我々は ヒトの血清に陽性(pool1) および 陰性(pool2)のC. jejuni 抗体をもちいて17GBS関連株 と 26腸炎関連株(多くの O:19および非O:19株を含む)の血清感受性を研究した。pool1を使うことにより 我々は 除菌された量が 非O:19株の場合 26中11(42%)に対して O:19株 18中1(6%)であることがわかった。pool2を用いた結果は 先のものと ほとんど一緒であった。最終的に O:19および非O:19株それぞれ8株は C3成分と相補的に結合する能力に はっきりとした違いがないことがわかった。血清型O:19のC. jejuni 株は アメリカやドイツにおけるGBS株中に 十分に存在し、非O:19株より 血清抵抗が著しく強いと言える。この抵抗性の機構はC3との結合とは関係がないように思える。 |
GBSである急性脱髄性(脱髄とは軸策または線経路は保たれていて髄鞘が喪失すること)多発ニューロパチーは末梢神経のミエリンでの免疫の働きによって特徴づけられています。その免疫が働くための条件は、わかっていません。しかしながら、GBSはよく急性感染症のあとに起こります。Campylobacter jejuniの感染はGBSに先行するもっとも一般的な症例として発生しています。GBS患者の40パーセントまでがCampylobacter jejuni感染症にかかっています。急性運動軸索ニューロパチー、急性炎症性脱髄ニューロパチー、Miller Fisher syndrome,を含むGBSのさまざまな種はCampylobacter jejuni感染と結びつけて考えられています。 アメリカではCampylobacter jejuni感染に大体人口の1パーセントの人々がかかっています。通常、それらは下痢 腹痛 熱によって特徴づけられる自己限定性(一定の期間で終わること)胃腸病の原因となっています。しかしながら、Campylobacter jejuni感染のおおよそ2000例のうちの1例がGBSによってこじらせられています。 なぜなら、Campylobacter jejuni感染はGBSよりもはるかに一般的に起こるので、Campylobacterの宿主菌あるいは菌株のいずれかが患者にGBSを感染させたとしてもよいからです。日本では血清型O19がGBS患者から分離したCampylobacter jejuni株のなかからみられるといういくつかの報告があります。12人のCampylobacter jejuni株をもつGBS患者の間で、10人が 血清型O19に感染していました。
日本では、無差別に選ばれたCampylobacter jejuniの2パーセントだけの原因となっている血清型が分離しました。しかしながらイギリスでは、GBSの患者から分離させた4つのCampylobacter jejuni株からは血清型O:19はなかった。ほかの血清型のCampylobacter jejuniが他の地域のGBS患者の間では多くをしめた。南アフリカのGBS患者から分離した9つすべてのCampylobacter jejuni株は血清型O:41であった。 この血清型は南アフリカの子供の腸炎の2パーセント弱の原因となるものです。ドイツのGBS患者と関連する4つすべてのCampylobacter jejuni株は血清型O:11であった。O:19株のGBS患者のあいだでの優位は日本だけに限定されるかどうかわかりません。そのうえ日本のGBS株の間であらわれるO:19の理由はよくわかっていません、しかし宿主菌のメカニズムに対するそれらの抵抗は一つの可能性です。 Campylobacter jejuniは感染しやすい健康な人間の血清のなかの殺菌性の働きを変化させます。非特定の血清の消滅により、血清の殺菌作用に抵抗する菌はより広く特定の組織を消滅させる反応を引き出し、そのように引き出された免疫反応は潜在的に大きな組織とミエリンにダメージを与えるとうことです。我々はCampylobacter jejuniの血清型O:19は日本の外のGBSの重要な原因であるかどうかを決定するために、アメリカとドイツでのGBSと関連する株の血清型を分けました。われわれはGBSと関連するCampylobacter jejuniの免疫の反応を調査するために、二つのことを実行しました。はじめに、われわれはCampylobacter jejuni 株のNHSへの感受性の検査をしました。我々の仮説はGBSと関連するCampylobacter jejuni 株(特にO:19)は腸炎の患者のものよりもより血清に抵抗があるということです。その反応のメカニズムを特徴づけるために、われわれは補体C3を調べ、そのなかでGBSの患者から分離されたCampylobacter jejuni 株が異なるかどうか決めました。
われわれはこれらのデータの意味の価値を決定します。標準偏差、比率の確率、表現値、Tテスト、95% confidence limits, interquartile ranges。ソフトウエアはLOTUS123やEpi Infoを含みます。
GBSと結びつく七種の株はPennerとHannessyのO血清型の分類表や熱で不安定になる血清型のLiorの分類表により血清型としてわけられています。血清型はCDC Campylobacter Reference Laboratory で処理されます。A型のGBSと結びつく株はGBSの患者または、少なくともGBS感染が発生している間に感染した患者から分離されたとものとして定義されます。4種の株はアメリカからのものです、そして3種はドイツ、それらのうちの4種は女性からのものです。
血清型O:19はアメリカの4種の株のうちの一つで、ドイツの3種の株のうちのひとつから分離されたものです。それゆえにアメリカとドイツでの患者から分離された7種中の2種がO:19の血清型です。
私たちは44のGBSと世界中からの株と関連した腸炎について研究した。私たちは、C.jejuniを2つの大きなグループに分けた。グループ1(株と関連した17のGBS)は2つのサブグループに分けられた。サブグループ1Aは7つのC.jejuni O:19から成り立っており、3つはアメリカ、3つは日本、1つはドイツである。サブグループ1BはO:19とは異なった10のC.jejuniから成り立っており、3つはアメリカ、2つはドイツ、5つはイングランドである。グループ2(27の腸炎;株と関連しているがGBSとの関連はわからない)も2つのサブグループに分けられる。サブグループ2A(GBSではない)は11のC.jejuni O:19から成り、10はアメリカ、1つは日本である。サブグループ2B(GBSでなくO:19でもない)はO:19とは異なったタイプのアメリカの患者から分離した16のC.jejuniから成り立っている。血清防染剤、C.fetus strain 23Dと自発的に起きる殺菌、Susceptible mutant 23Bがコントロールとして使われた。
株が、CO2を10%、O2を5%、N2を85%含んだインキュベーターの中で、37℃で48時間、soy blood agarプレート上で育てられた。バクテリアは0.15Mの生理的食塩水中で育てられ、15分間、8000Gで遠心分離された。上澄みは捨てられ、沈殿物は生理的食塩水に保存され、10回連続して希釈された。10−4、10−5、10−6の希釈液からはaliquots of cellが1.2mlのHBSSに加えられた。
NHSの2つのソースがこれらの試行で使われた。Pool1は5人の健康な成人からの血清で、70−Cで冷凍されている。Pool1血清のC.jejuni抗体のレベルは、ELISAに関連した酵素によって決定される。IgGに対するODRは5.14で、IgMに対するODRは0.66であった。過去のC.jejuni感染の収集はこのプールに含まれないようにしている。対照的に、Pool2は、low titer抗体を持った2人の健康な成人からの血清で成り立っている。IgG試行でのPool2血清のODRは0.37、IgMでは0.30であった。コントロールとして、全ての補助的な働きを除去するために56℃で30分間温めた。
NHSに対する感受性を決定するための試行が無菌で使い捨ての96-well microtiter U-bottomプレートで行われた。バクテリア懸濁液のそれぞれから150mlのaliquotが複写物に加えられた。さらに、NHSかHINHSの50が加えられ、懸濁液中の最終的な血清の固まりは10パーセントであった。試行の後、プレートは37℃で1時間培養され、懸濁液のうち50がblood agarプレートに注がれ、48時間培養された。この時点でCFUの数字は算出された。NHSとHINHSによって培養された細胞の数の間に見られる違いは、それぞれの株においてmedian log10 killによって表される。1log10 killを超えているものは血清感受株と考えられる。もし1log10 killより少なければ、その株は耐血清株と考えられる。同一の方法がPool1とPool2において行われた。
表2において、NHSによって殺すために研究された44のC.jejuniの耐性が表されている。これらの株のうち、27%がPool1血清のC.jejuni抗体陽性の殺菌に耐性で、23%がPool2血清のC.jejuni抗体陰性の殺菌に耐性である。したがって前述した通り、C.jejuniに対する抗体は血清殺菌にほとんどインパクトを持たない。株と関連したGBSは、複雑でない腸炎の患者からのものと同様に、血清殺菌に対して耐性を持たない。しかし、O:19株はGBSにもかかわらず、他のC.jejuni serotypeよりも明らかに血清殺菌に対して耐性を持つ。血清Pool1において、18のO:19株のうちたった1つだけが血清感受株で、26のうちの11がO:19株ではなかった。同様に、血清Pool2においてもO:19株は血清感受株ではなかった。
グループ1から8つと、グループ2から8つの株を取り出し、blood agarプレート上で上記のように育てる。C.fetus strains 23Dと23Bをコントロールとして再び使い試行は行われた。簡単に言えば、それぞれのプレートからのバクテリアは1.5mlHBSSのなかで育てられ、8000Gで15分間遠心分離された。沈殿物は0.5mlHBSSに保存され、OD450=3.0に適用された。研究されたそれぞれの株において、I-C3の懸濁液とPool2からのNHSとHINHSのうちの2.5mlとHBSS懸濁液のバクテリアの100mlが37℃で15分間培養された。125I-C3は筆者のうちの1人の研究所で用意された。懸濁液は175xgで5分間、2回遠心分離され、沈殿物はHBSSのなかに保存され、上澄みは捨てられた。それぞれのチューブの下から5mmはクリップで留められ、放出物はガンマカウンター内で測定された。HINHSを含んだネガティブコントロール混合物の数字はNHSの数字から引かれたものであった。この試行は、コントロール株23Bの沈殿物の量が23Dの少なくとも4倍以上であったときに有効であると思われる。非特定のbindigのためのコントロールとして、研究されるそれぞれの株が23Bに対する割合で表されるようになっている。それぞれの株は2から4回試行される。
血清感受コントロール株23Bのbindingは497cpmであるのに対し、23Dのものは54であった。0.114の23Bに対する23Dの割合は予想したとおりだった。対照的に、C.jejuniに対するC3-bindingの割合は0.022:0.464であった。8つのO:19株と8つのnon-O:19株の125I-C3をbindする能力はほとんど変わらなかった。(表3)
. アメリカとドイツにおけるこのGBS患者の研究は、血清タイプのO:19がC. jejuniによって引き起こされたGBS患者のなかで明らかになったという日本で作られた情報を確立した。アメリカで腸炎患者から分離したCampylobacterをランダムに298選んだところ、たった3%がserotype O:19であった。O:19株のよく似た流行が、北米、南米、アジア、ヨーロッパ、を含む全世界で見られる。ドイツでは特別な血清タイプの調査は行われなかったけれども、serotype O:19がドイツのC.jejuniのなかでより頻繁になるとは考えられないだろう。このように、われわれの研究でGBSと結びついた株は、この血清タイプを含む場合が11回以上もあった。GBSとC. jejuni のserotype O:19との結合は日本ではそれほど見られなかったが(GBSとつながりのある株から分離したものの80%がO:19)、他の国ではこの血清タイプはGBS結合株の中にはっきりと見られた。我々は以下のこと、O:19株とGBSのつながりは日本では局所的な現象に過ぎなかったが、O:19株の重要な特徴を反映している、と結論づけた。O-serotype 2 と熱により変性しやすいserotype 4は、GBS株の中でしばしば見つかったが、最近アメリカにおいて健康な人の中で見つかった。
GBS患者におけるCampylobacterの感染の頻発にもかかわらず、そのような株を手に入れることは様々な理由により困難なことである。1つ目として、C.jejuniに感染した患者のほとんどにおいて、親株が、神経学的兆候が始まる前にはっきりとしていること。2つ目に、ほどんどの神経学者が、最初GBSが見つかった時に親株を培養しなかったこと。そして最後に、たとえ親株を培養して、Campylobacterが現在いたとしても、ほとんどの微生物研究所はその分離株を保存していないだろう。つまりその様なケースが報告される前に、分離株は捨てられるということである。そのように、この七つの株はGBS結合株の最も大きな集合の一つとして明らかになった。加えて、これらはGBS結合C. jejuni株の人口の典型例となりそうである。serotype O:19株は親株の中で長期間残存しない限り、微生物研究所で簡単に培養したり、捨てたりされるだろう(これはなんの裏打ちも無いデータであるが)。そして、このような株はたぶんいかなる方法を用いても他のGBS結合株から分離することはできないだろう。
ほとんどのC. jejuniは人の血清によって殺されやすいが、我々は高いレベルで選んだ株を用いて研究したため、この調査では株の高い割合で抵抗があった。これに関して、GBS患者からのC. jejuni株が、単純な腸炎患者からの血清抵抗のある株と同じくらいしか無かったということは、驚きではなかった。分析がserotype O:19株だけに限定されていたとしても、GBS結合株と腸炎結合株との間に違いはないだろう。しかしながら、serotype O:19は、他の血清タイプの株より血清感受性は高くなく、血清抵抗を示したのは12回ほどあった。serotype O:19はアメリカや日本では単純な腸炎患者からのC. jejuni株の低いパーセンテイジしか示さないが、それは両国のGBS患者から見分けられたより頻繁に見られる血清タイプである。O:19株の感受性の高い血清は割合的に少ないが、それはこれらの株の中に観察できるよく似た遺伝子の関係と一致する。
O:19株の中の血清抵抗の関係の基礎をより理解するため、我々は、O:19でない株との関係においてC3と結合する能力を比較した。C3の結合が、二者択一か古典的補充の方法による活動の後に見出されたため、それはこれらの初期のステップにおける違いを反映している。C. fetusの血清抵抗は、C3が細胞表面に結合できないことによって説明される。対照的に、Salmonellaの血清抵抗では、C3の結合は普通であるが、C5−9の細胞膜攻撃は正確に成されない。最近の研究では、C. jejuni 株からのO:19 とO:19ではないもののC3結合の違いのかなりの欠如により、補充活動の初期のステップが株の中でよく似ているということが提唱されている。しかしながら、血清の感受性のはっきりとした違いが、多くの抵抗株において、C3の急速な不活性化や、細胞膜攻撃の機能や集まりの減少をしめす。将来の研究ではこのはっきりしたポイントがわかるだろう。
GBSを引き起こすC. jejuniの重要性の意識が増えていることは、これまで述べてきた病気が、重大な感染性の病気の後遺症として、どのくらい前から発生していたかというもう一つの例である。この研究は、このつながりの本質を特徴づけようと試みた。しかしながら、急性のgastrointestinal infectionがascending paralysisに帰着することについて学ぶことがたくさんあった。ある事実ははっきりしている。それはC. jejuniにかかる人のほうが、後にGBSにかかる人よりも多いということである。おそらく、他の単純な腸炎の患者により引き起こされたcampylobacterに感染した後にGBSにかかる人もいるだろう。逆に、我々がこの論文を提出したとたん、GBSを引き起こすより適当な株が出てくるかもしれない。HLA(ヒトの白血球抗原)とGBSとの間のつながりは見つかっていない。しかし、英国と日本では、HLAとC. jejuniとつながりのあるGBSとのつながりが提出されている。おそらく遺伝的な感受性や、HLAのタイプや、株の血清タイプや、他の宿主や株の特徴とのいくつかのつながりは、C. jejuniが引き金となったGBSの発病学において共に働くだろう。
O:19株の血清抵抗の関係は、構造と相互関連している。その上、生態内組織の感受性のこれらの生態外分析の関連は、はっきりと知ることはできない。我々は、補体の溶解に関するこれらの株の感受性の関連が、高い特別な免疫学的反応を引き起こしていると推測した。我々は、この高い免疫学的反応が末梢神経系の損傷を引き起こすと推測した。C. jejuni のO:19で引き起こされる感染のほんの何分の一しかGBSを引き起こさないので、それ以上の事柄が生態内では関連しているに違いない。
Acknowledgments<謝辞>
株を血清型に してくれたCharlotte Pattonとドイツから株を提供してくれたManfred Kistに感謝する。
この研究はgrant NIH-1-K08-NS01709 of the NINDS, NIH (BMA);NIH grant KO4-AI01036 (RGW); and the Medical Research Service of the Department of Veterans Affairs (MJB)に支えられた。
Ban Mishu Allosは、TennesseeのNashvilleにあるVanderbilt University School of Medicineの医学局と予防医学局の感染症部門の医学助教授である。彼女の臨床研究は、HIVと他の感染症に関連している。彼女の調査は、全体的に見るとfoodborne illnessに着目しており、部分的に見るとGuillain-Barr・syndromeの成因としてCampylobacter jejuniに着目している。
References